メカジキ漁場予測技術開発に関する研究

タイトル メカジキ漁場予測技術開発に関する研究
担当機関 東京都総務局
研究期間 2015~2017
研究担当者 田中優平
浅田凌
市川香
Sergey M.Varlamov
宮澤泰正
発行年度 2018
要約 小笠原における重要な漁獲対象種であるメカジキについて漁業の効率化を図るため、潮汐により生じる内部潮汐に着目し、モデルデータを用いて内部潮汐場と漁場の関連性を検討した。
背景・ねらい 小笠原諸島では、水深400~600mにおいてメカジキを対象とした深海たて縄漁業が盛んである(図1)。しかし、その漁獲量は年変動が大きく、漁場が特定しづらい特徴があり、より効率的な漁獲が望まれている。本事業では、九州大学およびJAMSTECの協力のもと、JAMSTEC提供のJCOPE-Tのモデルデータを用いて内部潮汐場と漁場の関連性を検討し、メカジキ漁場予測システムの構築を目指した。
成果の内容・特徴 (1)モデルデータによる内部潮汐の確認
  調査指導船「興洋」により定点で2時間おきに水温観測を行い、同地点同時刻のモデルデータと比較したところ、観測データおよびモデルデータ共に、主温度躍層の他に水深 400m~500mで温度変動があることが確認され、モデルデータが現場データを再現していることがわかった(図2)。 
(2)内部潮汐と漁場形成
  観測地点における水温偏差の東西断面をモデルデータにより示したところ、温度変動が斜め下方向に向かって分布していることから、小笠原群島周辺においても内部潮汐が発生していると考えられた(図3)。
  モデルデータによる水平方向の温度偏差と聞き取りにより得られたメカジキの漁獲位置を比較したところ、内部潮汐が水深500mを通る水平位置の縁辺部とメカジキの漁獲位置はおおむね一致した(図4)。
  内部潮汐により発生する潮流の収束発散位置と漁獲位置を比較したところ、収束が卓越する水平位置とメカジキの漁獲位置はおおむね一致することがわかった(図5)。
成果の活用面・留意点 本事業の結果より、父島周辺で内部潮汐の発生を確認し、内部潮汐が水深500mを通る水平位置、特に潮流の収束位置がメカジキ漁場形成の指標となることがわかった。この結果を受け、モデルデータを「海の天気予報」として漁業者向けに一般公開し、海面高および水温等の海況情報に加え内部潮汐場の形成予測も公開した。
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=8062&YEAR=2018
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