改良型粘土散布による赤潮被害防止技術のマニュアル化

タイトル 改良型粘土散布による赤潮被害防止技術のマニュアル化
担当機関 鹿児島県水産技術開発センター
研究期間 2010~2017
研究担当者 宮田翔也
村田圭助
保科圭佑
田原義雄
発行年度 2018
要約 シャットネラ アンティーカに対しても有効な赤潮防除剤として改良型粘土による防除技術を開発した。さらに、その知見をとりまとめ、漁業者自身が赤潮防除を行えるよう、わかりやすいマニュアルを作成した。
背景・ねらい 昭和57年に「粘土散布による赤潮被害防止マニュアル」が作成され、粘土散布は赤潮発生時に有効な対策の1つとなっている。しかし、従来の粘土散布ではコクロディニウム ポリクリコイデスに対する防除効果は高いものの、シャットネラ アンティーカには効果が低いという欠点があった。そのため、シャットネラ アンティーカに対しても有効な赤潮防除剤の開発が望まれた。
成果の内容・特徴 1 従来の活性粘土の物性改変や物質の添加による改良を行ったところ、焼ミョウバンの添加によって防除効果が向上することを確認した。また、活性粘土に焼ミョウバンを添加したものを改良型粘土とし,シャットネラ アンティーカ等計5種類の有害赤潮プランクトンに対し粘土散布試験を実施したところ、いずれの種に対しても,活性粘土単体より防除効果が向上したことを確認した。
   ※基本有効濃度
    1m2あたり水深1mまでが (活性粘土の濃度)+(焼ミョウバンの濃度)=1,000ppm + 100ppm 
2 ブリ、イワガキ等計8種類の水産生物について、改良型粘土を散布した海水中で曝露することにより、基本有効濃度における水産生物への安全性を確認した。 
3 改良型粘土として用いる焼ミョウバンについて溶出試験を行ったところ、海洋汚染防止法に規定される項目のすべての基準値を下回っており、環境への影響がほとんどないことを確認した。 
4 以上の知見をとりまとめ、漁業者自身が赤潮防除を行えるよう、わかりやすいマニュアルを作成した。
成果の活用面・留意点 本研究により、シャットネラ アンティーカ等の有害赤潮プランクトンに有効な赤潮防除剤が開発された。また、漁業者自身が赤潮防除を行えるよう、わかりやすいマニュアルを作成し、国や各関係機関、県内沿海漁業協同組合へ本マニュアルを配布したほか、当センターホームページにも掲載した。今後は本マニュアルを活用し、赤潮発生初期から対策を行うことで赤潮による漁業被害が防止・軽減されることが期待される。
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=8100&YEAR=2018
カテゴリ 病害虫 くり 防除

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