遺伝子選抜による増体性の改良効果はコマーシャル地鶏でも発揮される

タイトル 遺伝子選抜による増体性の改良効果はコマーシャル地鶏でも発揮される
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産研究部門
研究期間 2016~2018
研究担当者 高橋秀彰
力丸宗弘
佐々木専悦
石川寿美代
浅野美穂
山下裕昭
桃井唯
角﨑智洋
中山広美
堀之内正次郎
発行年度 2018
要約 秋田県の「比内地鶏」、岐阜県の「奥美濃古地鶏」、熊本県の「天草大王」、宮崎県の「みやざき地頭鶏」の生産の基になっている種鶏を、コレシストキニンA受容体遺伝子の特定の遺伝子型で選抜すると、コマーシャル地鶏においても、増体性の改良効果が発揮される。
キーワード マーカー選抜育種、比内地鶏、奥美濃古地鶏、天草大王、みやざき地頭鶏
背景・ねらい 地鶏は、地域の特産品として定着し、ブロイラーよりも高値で取引されている。一方、地鶏は、飼育期間が長く、発育形質の改良が求められている。農研機構と秋田県畜産試験場は共同で、秋田県在来品種である比内鶏において、発育形質と強く関連する遺伝子(コレシストキニンA受容体遺伝子、CCKAR遺伝子)の一塩基多型(SNP)を報告した。一方、全国では地域の特色を生かし、「地鶏肉の日本農林規格」に基づいて、多種多様な交配様式で地鶏肉生産のためのコマーシャル(CM)地鶏が生産されている。例えば、比内鶏と別品種を種鶏とした一代交雑鶏が「比内地鶏」として流通している。そこで、前記の遺伝子型によりCM地鶏生産の基になっている種鶏を改良し、その交雑種であるCM地鶏の発育性改善効果を検証する。多くの種鶏とCM地鶏との組み合わせで検証することにより、マーカー選抜の可能性拡大につながる。今回は、秋田県、岐阜県、熊本県、宮崎県の公設場所が一元的に管理しているCM地鶏を用いて、遺伝子型による発育性改善効果を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 4県のCM地鶏の交配様式を示す(図1)。マーカー選抜育種の対象は、各CM地鶏の種鶏である。
  2. 4県のCM地鶏生産の基になっている種鶏をマーカー選抜し、遺伝子型を固定した後に作出したCM地鶏(改良鶏)は、従来のCM地鶏(従来鶏)よりも、出荷時体重が有意に重い(図2)。
  3. 使用した選抜マーカーは、CCKAR遺伝子の5'非翻訳領域に存在するSNP(アデニン(A)とシトシン(C))である。そのうち、増体性の改良に有利に働くSNPはA型である。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:地鶏生産を担う都道府県の公設場所、家畜改良センター、地鶏生産者団体等
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:秋田県、岐阜県、宮崎県、熊本県。4県のCM地鶏の出荷羽数は、2017年度実績で合計1,250千羽(表1)。
  3. 4県のCM地鶏について、旧来の種鶏から、A型固定の種鶏へと完全に入れ替えた場合、4県合計で、年間約66,000千円の生産者所得の増加が見込まれる(表1)。
  4. 当該SNPの簡易検出法は確立されており、技術供与できる。
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/nilgs/2018/18_017.html
カテゴリ 育種 出荷調整 品種

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