ミツバチ感染症の病原体簡易検出キット

タイトル ミツバチ感染症の病原体簡易検出キット
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産研究部門
研究期間 2014~2018
研究担当者 芳山三喜雄
木村澄
石澤洋平
上田由美
平賀育英
発行年度 2018
要約 核酸クロマト紙およびMultiplex PCR法を組み合わせることで、一度に5種類のミツバチ感染症の病原体を判別できる検査キットである。本キットの利用により、家畜伝染病を含むミツバチ感染症の病原体を簡便かつ迅速に検出することが可能になり、早期の蜂病判別に利用できる。
キーワード ミツバチ、家畜伝染病(法定伝染病)、簡易検出キット、蜂病診断
背景・ねらい 家畜であるミツバチには、家畜伝染病(法定伝染病)を含む数多くの蜂病が存在しており、健全な蜂蜜生産や交配用ミツバチの安定供給において、ミツバチ感染病対策が重要な課題の一つである。しかし、蜂病の病原因子は、細菌や真菌、微胞子虫からダニ類と多岐に渡ることから、初期判断をミツバチや巣内状況を目視によって観察する経験則に依存せざるを得ないために、蜂病の正確な判別は困難である。従来の遺伝子工学的手法で蜂病の病原体を判別する手法もあるが、種々の蜂病の病原体それぞれに対して、特異的プライマーの選択、PCR反応液の組成や最適温度条件の検討、および増幅産物の電気泳動による確認工程など、その検出には多大な労力と時間を要する。そこで、本研究では複数のミツバチ感染症の病原体を一度に簡便かつ迅速に検出し、正確な判別が可能なキットを開発する。
成果の内容・特徴
  1. 本キットは、ミツバチ感染症のうち家畜伝染病(法定伝染病)であるアメリカ腐蛆病の病原菌Paenibacillus larvae、ヨーロッパ腐蛆病の病原菌Melissococcus plutoniusに加え、届出伝染病であるノゼマ病の病原体Nosema ceranae、アカリンダニ症の病原因子Acarapis woodi、チョーク病の病原体Ascosphaera apisの検出に利用できる。
  2. 本キットは、上記5種類のミツバチ感染症の病原体それぞれに特異的なタグ付きのプライマーセットを用い1チューブの反応液中で標的遺伝子を増幅できるMultiplex PCR関連試薬とその諸条件及び簡易的な核酸抽出用の試薬を含む(図1)。
  3. 本キットは、上記のPCR後それぞれの増幅産物を発色させるための標識反応物質を含む展開液と固相担体である核酸クロマト紙及び操作マニュアルを含む(図2)。PCR産物の確認のためのアガロースゲルの作成や電気泳動の工程が不要である。PCR反応液と展開液を混合後、核酸クロマト紙を浸漬することで、約10分で核酸クロマト紙上の所定の位置に青色のバンドを呈する。実際に複数のミツバチ感染症の病原体を検出した例を示す(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:家畜保健衛生所等の病性鑑定担当者、大学、法人等の蜂病の研究者•検査担当者
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:全国、海外
  3. その他:試作製品、プロトコールは完成している。現在、市販化に向けての価格や形状等の製品仕様の確定を行っている。
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/nilgs/2018/18_018.html
カテゴリ かりん 最適温度条件 市販化 ミツバチ

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