多層保温被覆資材と水蓄熱を導入したハウスの内張資材開閉タイミング決定法

タイトル 多層保温被覆資材と水蓄熱を導入したハウスの内張資材開閉タイミング決定法
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 西日本農業研究センター
研究期間 2013~2017
研究担当者 松田周
吉越恆
川嶋浩樹
千葉彩香
山田修
太田祐樹
鈴木朋代
有馬宏
発行年度 2018
要約 多層保温被覆資材と水蓄熱を導入したハウスにおいて、熱動態を計算することで、時刻または日射量による内張資材開閉閾値に対する燃料使用量の変動分布図または曲線が作成され、これを用いてハウス内張の開閉閾値を決定できる。
キーワード 多層保温被覆資材、水蓄熱、熱動態、閾値、燃料使用量
背景・ねらい 燃油価格の上昇は施設園芸における冬期の暖房費に直結しており、経営を圧迫する要因である。近年、内張資材として多層保温被覆資材を設置し、蓄熱体として水蓄熱を導入したハウスの普及が進められおり、燃料使用量の観点から内張資材の開閉タイミング(閾値)を決定する方法が求められている。そこで、本研究では時刻または日射量による内張資材開閉閾値を、燃料使用量との関係から決定する方法を開発する。
成果の内容・特徴
  1. ハウスの熱動態計算は定常伝熱(外張フィルムや防草シート等)と非定常伝熱(被覆資材や水蓄熱体、内室等)(図1)で構成されている。計算の入力値は、ハウス外の気温、相対湿度、全天日射量、風速および雨量である。開発した計算手法を用いて熱動態を計算し、時刻または日射量による内張資材開閉閾値と燃料使用量の定量的関係を明らかにすることで、燃料使用量を考慮した開閉閾値を決定できる。
  2. 時刻に基づく内張開閉では、燃料使用量が最も小さい閾値(本例では8:40開、15:10閉(図2の点A))を中心にして、開時刻よりも閉時刻方向に長い同心楕円状に燃料使用量が増加する(図2)。この図および優先したい日射量(図2の緑矢印)を用いることで、燃料使用量を考慮しながら開・閉時刻の閾値を決定できる(図2の赤矢印)。
  3. 日射量に基づく内張開閉では、燃料使用量が最も小さい閾値(本例では180 W m-2(図3の点A))を頂点として、放物線状に燃料使用量が増加する(図3)。点AB間の曲線および縦軸の値を用い、交点の横軸座標値を内張開閉閾値とする(図3の赤矢印)。
成果の活用面・留意点
  1. 本方法は多層保温被覆資材と水蓄熱を導入したハウスの内張開閉の閾値決定に用いることができる。本計算条件と異なる大きさ・向き・構造・設定室温のハウスおよび他地域に位置するハウスにおいては、閾値を別途計算する必要があるが、水蓄熱を持たない多層保温被覆資材のみを導入したハウスにおいては、外気温と設定室温を用いた簡易計算より概算値を導出できる。
  2. 多層保温被覆資材と水蓄熱を導入したハウスの技術マニュアルはWeb上で公開されている。
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/warc/2018/warc18_s07.html
カテゴリ 経営管理 施設園芸 省エネ・低コスト化

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