タイトル | 殺菌剤の生態影響評価のための水生菌類を用いた新たな毒性試験法 |
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担当機関 | (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 農業環境変動研究センター |
研究期間 | 2015~2018 |
研究担当者 |
永井孝志 |
発行年度 | 2018 |
要約 | 殺菌剤の生態影響をより適切に評価することを目的とした、複数種の水生菌類を用いた効率的な毒性試験法である。試験生物種は、生態学的重要性や開発した毒性試験への適合性を考慮して、我が国の水域に優占する5種類の水生菌類株を選定している。 |
キーワード | 農薬、殺菌剤、菌類、生態リスク |
背景・ねらい | 河川や湖沼などの水圏生態系には多種多様な生物が生息しているが、農薬の毒性は対象となる生物種によって極端に異なることが知られており、殺虫剤は甲殻類等、除草剤は植物(藻類等)、殺菌剤は菌類に強い毒性を持つという一般的な特徴がある(除草剤の例として図1左)。このような生物種間の感受性差を統計学的分布として表現したものが「種の感受性分布」である(図1右)。農研機構では種の感受性分布を用いた生態リスク評価手法の開発を進めており、2016年に技術マニュアルを作成・公開している。 水生菌類は分解者としての機能を持ったり、ミジンコの餌となったりするなど重要な生態学的役割を担っている。ところが、水生菌類を用いた毒性試験はこれまでほとんど報告がなく、水生菌類の毒性データに基づいていない現状の生態影響評価は、殺菌剤の影響を過小評価している懸念がある。また、従来行われてきた病原菌等に対する薬剤感受性検定法は、薬剤を添加したシャーレ内寒天培地に菌体を接種し、その生育を調べる試験である。これは、結果の定量的な評価が難しい、寒天培地を用いるため操作が煩雑であり大量の試験を効率よく行えない、水生菌類の生息の場である「水中」での試験ではない、といった欠点がある。そこで本研究では、水生菌類を用いた効率的な毒性試験法を新たに開発し、試験に適合する5種類の試験生物種を選定する。 |
成果の内容・特徴 |
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成果の活用面・留意点 |
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研究内容 | http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/niaes/2018/niaes18_s14.html |
カテゴリ | 病害虫 除草剤 農薬 評価法 薬剤 |