3種のアミノ酸を強化した飼料の給与が暑熱環境下の肥育豚の血しょう遊離アミノ酸濃度に及ぼす影響

タイトル 3種のアミノ酸を強化した飼料の給与が暑熱環境下の肥育豚の血しょう遊離アミノ酸濃度に及ぼす影響
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産研究部門
研究期間 2009~2013
研究担当者 松本光史
高木勇治
井上寛暁
山崎信
村上斉
高田良三
発行年度 2018
要約 リジンを要求量の2倍にした飼料を暑熱環境下の肥育豚に給与すると、血しょう中遊離リジン濃度は有意に上昇するが、トレオニンおよびメチオニン濃度は低下する。これら3種のアミノ酸を要求量の2倍給与すると、血しょう中濃度はいずれも有意に上昇し、飼料効率が改善する。
キーワード 暑熱環境、肥育豚、アミノ酸、血しょう遊離アミノ酸
背景・ねらい 西南暖地の養豚業では、夏季の暑熱ストレスにより肥育豚の発育が遅れ、飼料コストの増大や豚舎回転率の低下、豚肉価格の不安定化等の問題を引き起こしている。発育の遅れは、主に飼料摂取量の低下や消化率の低下に起因すると考えられる。他方、豚の発育には様々な栄養素が必要であるが、近年の環境負荷低減の流れや飼料価格の高騰を受けて、体タンパク質合成のもととなるアミノ酸は、成長に最低限必要な量(要求量)を大きく超えることがないように飼料が設計されている。そのため、暑熱環境下の肥育豚では飼料摂取量の低下等により、必須アミノ酸の体内への取り込みが不足している可能性が高い。
本研究では、欠乏しやすいアミノ酸を飼料添加することにより血しょう中遊離アミノ酸濃度への影響を明らかにすることをねらいとする。
成果の内容・特徴
  1. 平均気温が28℃、平均湿度が70%以上の強い暑熱環境下では、肥育豚の飼料摂取量は通常の2/3以下に低下するが、最も欠乏しやすいリジンを要求量の2倍になるように添加した飼料を給与すると、増体成績が改善する(表1)。
  2. 暑熱環境下でリジンを要求量の2倍になるように添加した飼料を給与すると、血しょう中の遊離リジン濃度は上昇するが、リジンの次に欠乏しやすいトレオニンとメチオニンの血しょう中濃度が低下する(表2)。
  3. 暑熱環境下でリジンに加えてトレオニンとメチオニンも要求量の2倍になるように添加した飼料を給与すると、肥育後期豚の飼料効率が改善する(表3)。
  4. 暑熱環境下でリジンに加えてトレオニンとメチオニンも要求量の2倍になるように添加した飼料を給与すると、血漿中の遊離リジン、トレオニン、メチオニンの濃度は上昇する(表4)。
成果の活用面・留意点
  1. 暑熱環境下で有効なアミノ酸強化飼料を開発するための基礎資料となる。
  2. リジン、トレオニン、メチオニン以外のアミノ酸の給与効果は検討していないので、今後の検討課題である。
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/nilgs/2018/nilgs18_s06.html
カテゴリ 環境負荷低減 コスト 飼料効率

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