LAMP法によるジャガイモシストセンチュウ類2種の識別技術

タイトル LAMP法によるジャガイモシストセンチュウ類2種の識別技術
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター
研究期間 2019~2020
研究担当者 酒井啓充
発行年度 2020
要約 形態識別が困難であるジャガイモシロシストセンチュウとジャガイモシストセンチュウのDNAをそれぞれ特異的に増幅することにより、これら2種を識別するための技術である。LAMP法を用いることで、簡便かつ迅速に増幅結果を目視で確認できる。
キーワード 線虫、ばれいしょ、Globodera、LAMP
背景・ねらい ジャガイモの重要害虫であるジャガイモシロシストセンチュウ(Globodera pallida:以下 Gp)が北海道の一部で発生しており、国による緊急防除が実施されている。本種の近縁種であるジャガイモシストセンチュウ(G. rostochiensis:以下 Gr)はすでに道内に広く発生しており、同所的に発生している場合もある。これら2種を形態により識別することは難しいため、実験室レベルで識別するためのマルチプレックスPCR法がすでに開発・利用されている。PCR法はPCR装置を要するほか、DNA増幅結果の確認のために電気泳動を行う必要があるが、一定の温度処理でDNA増幅可能で、増幅結果を目視ですぐに確認できるLAMP法が適用できれば、PCR法よりも簡便かつ迅速な識別が可能となる。そこで、本研究では、GpおよびGrに由来するDNA断片をLAMP法によりそれぞれ特異的に増幅することで、これら2種を識別するための技術を開発する。
成果の内容・特徴 1.本技術は、ミトコンドリアDNA非コード領域を標的として新規に設計したGp特異的およびGr特異的プライマーセットを用いる(表1)。
2.市販のLAMP試薬を用いて、上記プライマーセットおよび線虫の粗抽出DNA(2019年普及成果情報「緊急防除の効率化に貢献するジャガイモシストセンチュウ類2種の同時診断技術」に従って抽出)を加えた反応液に対して60~63°C・60分間の熱処理を加えることで、Gp検出用ではGp由来のDNAのみ、Gr検出用ではGr由来のDNAのみが特異的に増幅する(表2)。
3.市販の目視・検出用試薬を用いることで、DNA増幅の有無を目視で確認することが可能であり、ブラックライトで照射することでより鮮明に確認できる(図1)。
成果の活用面・留意点 1.本成果は主にジャガイモシストセンチュウ類と疑われる雌成虫またはシストの線虫種の識別に活用することが期待される。
2.本技術により種の識別を行う場合、対象サンプルのほかに陽性対照サンプルおよび陰性対照サンプルを含めて試験を行う必要がある。
3.市販の試験研究用LAMP試薬を用いる場合、試験研究用途に限り本技術を適用できる。
図表1 244475-1.png
研究内容 https://www.naro.go.jp/project/results/4th_laboratory/harc/2020/harc20_s16.html
カテゴリ 温度処理 害虫 シロシストセンチュウ 診断技術 ばれいしょ 防除

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