栽培限界地帯でも安定して登熟する超極早生サイレージ用トウモロコシ品種「ハヤミノルド」

タイトル 栽培限界地帯でも安定して登熟する超極早生サイレージ用トウモロコシ品種「ハヤミノルド」
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター
研究期間 2014~2020
研究担当者 黄川田智洋
佐藤尚
林拓
牧野司
秋山雄希
発行年度 2020
要約 「ハヤミノルド」は、早晩性が "超極早生"で、寒地のトウモロコシ栽培限界地帯においても十分に雌穂の登熟が進む。すす紋病抵抗性、ごま葉枯病抵抗性、耐倒伏性に優れる。また、赤かび病抵抗性も強い。北海道の根釧、道北地域に適する。
キーワード トウモロコシ、サイレージ、品種、極早生、倒伏
背景・ねらい 近年、濃厚飼料価格が高騰し、高栄養で多収な自給粗飼料であるサイレージ用トウモロコシの重要性はますます高まっており、北海道でも生産拡大が急務である。なかでも、主要酪農地帯の根釧および道北地域など、積算温度の不足から従来のサイレージ用トウモロコシ品種では対応できない栽培限界地帯での生産拡大のため、より早生で、登熟の早い品種が求められている。また、台風による倒伏被害や、これまで北海道において重要な葉枯性病害であるすす紋病に加えて、本州など温暖地の主要病害であるごま葉枯病の被害が道内で増加している。さらに飼料中のかび毒の原因となる赤かび病の抵抗性の向上が求められている。そこで、従来の品種よりもかなり早熟で、耐倒伏性が強く、すす紋病、ごま葉枯病、赤かび病に強い品種を育成する。
成果の内容・特徴 1.「ハヤミノルド」(写真1、2)は、Ho120×Ho131(Ho120:北海道農業研究センター育成のデント系列自殖系統、Ho131:北海道農業研究センター育成のフリント系列自殖系統)の単交雑一代雑種である。
2.絹糸抽出期は極早生の標準品種「KD254」より7日、比較品種の「たちぴりか」より5日早く、雌穂登熟も早い。雌穂乾物率は非常に高く、総体乾物率も高い。早晩性は既存品種の中で最も早い"超極早生"である(表1)。
3.発芽期は「KD254」とほぼ同日で、初期生育は良い(表1)。
4.稈長、着雌穂高は「KD254」より低い(表1)。
5.乾物総重および推定TDN収量は「KD254」より低い。乾雌穂重割合、乾物中推定TDN割合は「KD254」並である(表1)。
耐倒伏性は「KD254」より強い(表1)。
6.密植適性は高く、920本/aの栽植密度でも「KD254」や「たちぴりか」と同様に10%程度の増収が見込まれる(表1)。
7.特性検定試験におけるすす紋病抵抗性は強く"かなり強"であり、ごま葉枯病抵抗性は「KD254」より強い。各試験地でのすす紋病およびごま葉枯病罹病程度は低い。根腐病の病徴発現はやや低い。赤かび病抵抗性も接種検定の発病面積率が低く、強い(表2)。
成果の活用面・留意点 1.適地は北海道の根釧、道北である。
2.種子の市販開始は2023年以降を予定。
図表1 244481-1.png
研究内容 https://www.naro.go.jp/project/results/4th_laboratory/harc/2020/harc20_s10.html
カテゴリ 寒地 ごま 生産拡大 抵抗性 とうもろこし トウモロコシサイレージ 乳牛 根腐病 品種

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