パラフィン入肥料による水稲白穂発生抑制技術

タイトル パラフィン入肥料による水稲白穂発生抑制技術
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 西日本農業研究センター
研究期間 2018~2020
研究担当者 千葉雅大
柴田昇平
発行年度 2020
要約 人工気象室内でのポット試験において、パラフィン入肥料希釈液を出穂直後の水稲の穂に散布することで、夜間のフェーンによる白穂の発生を抑制することが可能である。この効果は、パラフィン入肥料の種類によらず、パラフィン濃度が高いほど大きい。
キーワード 水稲、フェーン、白穂、パラフィン入肥料
背景・ねらい 水稲の出穂直後の夜間にフェーン(高温乾燥風)が発生すると、穂が白化した白穂(図1)となり、収量および品質が低下する。栽培管理支援システムのフェーン注意情報等により、詳細で農業利用に適したフェーンの予測情報が配信されているが、現在、フェーンの予測情報に対応可能な白穂対策技術は、水田への湛水のみであり、効果が不十分であることが指摘されている。
そこで、本研究では、フェーンの予測に対応した新たなフェーン害対策技術として、蒸散抑制効果をもち、カンキツの果皮障害や水稲の植傷み対策に用いられるパラフィン入肥料の白穂発生の抑制効果を明らかにする。
成果の内容・特徴 1.出穂2~4日後の穂に、パラフィン入肥料希釈液を散布すると、水を散布した穂に比べて、フェーンによる白穂の発生が抑制される(図2、図3)。
2.試験を行ったパラフィン濃度0.03~0.6%の範囲で、フェーンによる白穂の発生は抑制され、パラフィン濃度が高いほど、効果が大きい傾向を示す(図2)。
3.含有する肥料成分およびパラフィン成分が異なるパラフィン入肥料の希釈液を散布しても、パラフィン濃度が同じならば、同程度の白穂の抑制効果が得られる(図3)。
成果の活用面・留意点 1.パラフィン入肥料は、パラフィンを主成分としてカルシウム、マンガン・ホウ素等を含む(窒素、リン酸、カリウムは含まない)液肥として登録されている。
2.本成果は、1/5000aワグネルポットに水稲品種「にこまる」を円形20粒播して主茎のみを栽培し、出穂直後に人工気象室で送風機を用いて夜間フェーン処理(温度:33°C、湿度:52%、風速:7ms-1、処理時間:4時間)した結果である。普及のためには、圃場で品質・収量・白穂発生への影響および散布方法を検討する必要がある。
3.フェーン処理日の14時に、霧吹型農薬散布機を用いて、パラフィン入肥料希釈液および水を20ml/ポット散布した。
図表1 244563-1.png
研究内容 https://www.naro.go.jp/project/results/4th_laboratory/warc/2020/warc20_s12.html
カテゴリ 肥料 乾燥 栽培技術 水田 水稲 農薬 品種 その他のかんきつ

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