微生物殺虫剤ボーベリア・バシアーナ乳剤の野菜類うどんこ病防除効果

タイトル 微生物殺虫剤ボーベリア・バシアーナ乳剤の野菜類うどんこ病防除効果
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜花き研究部門
研究期間 2017~2019
研究担当者 窪田昌春
寺見文宏
飯田祐一郎
山中聡
関口実里
中嶋香織
川上拓
黒田克利
芳田侃大
浅野峻介
神谷克巳
山岸菜穂
藤永真史
発行年度 2020
要約 微生物殺虫剤であるボーベリア・バシアーナ乳剤は、キュウリ、トマト、ナス、イチゴ、メロンのうどんこ病に対して高い防除効果を示す。本剤は、野菜類うどんこ病への適用拡大が認可され、野菜類において同病と害虫の同時防除に使用できる。
キーワード 微生物殺虫・殺菌剤、野菜類うどんこ病、同時防除、農薬適用拡大
背景・ねらい 微生物農薬は、化学農薬と比較して環境負荷が小さく、農作物への残留の問題がない。また、植物病原菌、害虫とも化学農薬耐性の発達により防除が困難となってきているが、微生物農薬では耐性発達のリスクが低い。さらに、病虫害を1つの剤で同時に防除できれば施用する農薬の種類が削減されるとともに、農薬散布回数や使用量の低減にもつながり、病害虫防除作業の省力化が期待できる。これまでに昆虫寄生性の糸状菌が植物の病害を抑制する可能性が示されていたことから、本研究では、既に農薬登録されている昆虫寄生性菌を成分とした微生物殺虫剤について、野菜類の重要病害であるうどんこ病に対する防除効果を圃場試験で確認する。それによって、昆虫寄生性糸状菌を成分とする微生物農薬の野菜類うどんこ病に対する農薬適用拡大を目指す。この適用拡大により、野菜の生産現場において、微生物農薬の単剤による病害と虫害の同時防除が可能となる。
成果の内容・特徴 1.昆虫寄生菌を主成分とする市販の微生物殺虫剤8種のうち、ボーベリア・バシアーナ乳剤はトマトうどんこ病に対して防除効果を示す(データ略)。
2.国内各地において、生産現場に準ずる栽培条件でキュウリ、トマト、ナス、イチゴ、メロンにボーベリア・バシアーナ乳剤(表1)を散布し、うどんこ病の防除効果と薬害を調査した結果、うどんこ病の発病が無処理より低く抑えられて高い防除効果が認められる(表2、図1)。薬害はいずれの試験でも認められない。
3.以上の試験例数をもって、ボーべリア・バシアーナ乳剤について、野菜類うどんこ病への適用拡大が農林水産消費安全技術センターにより認可されている(表3)。これにより、ボーベリア・バシアーナ乳剤1000希釈液を、野菜類のうどんこ病と、アブラムシ類、アザミウマ類とハダニ類の同時防除に利用できる。トマトとミニトマトでは、これらに加えてコナジラミ類も防除可能である。
成果の活用面・留意点 1.普及対象:野菜生産者。
2.普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:全国1500ha。
3.その他:
ボーベリア・バシアーナ乳剤は、アリスタライフサイエンス株式会社から商品名ボタニガードESとして販売されている。当剤の使用に際しては、製品説明書や技術資料を参照すること。本剤はJAS法に適合しているため、使用しても農薬散布回数にカウントされず、有機栽培や特別栽培農産物でも使用可能である。
図表1 244629-1.png
研究内容 https://www.naro.go.jp/project/results/4th_laboratory/nivfs/2020/20_070.html
カテゴリ 有機栽培 病害虫 いちご うどんこ病 害虫 きゅうり 栽培条件 省力化 トマト なす 農薬 病害虫防除 防除 ミニトマト メロン

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