乳用種育成牛への破砕玄米発酵TMR(乾物比25%)給与の実用性

タイトル 乳用種育成牛への破砕玄米発酵TMR(乾物比25%)給与の実用性
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産研究部門
研究期間 2015~2015
研究担当者 澤戸利衣
神谷裕子
田中正仁
発行年度 2020
要約 乳用種育成牛に対して破砕玄米(乾物比25%)を給与しても、飼料摂食量やルーメン内容液性状、血液性状に顕著な影響は無く、圧ぺんトウモロコシの代替として利用可能である。
キーワード 乳用種育成牛、破砕玄米、窒素利用性
背景・ねらい 輸入濃厚飼料の価格高騰が国内の酪農経営を圧迫している今、輸入トウモロコシの代替となる国産濃厚飼料として玄米の利用が期待されている。また、玄米の利用による窒素利用性の向上を示すデータも報告されており、排泄物による環境負荷軽減の観点からも期待されている。乳用種成牛への玄米給与に関する報告は多数あるが、乳用種育成牛に関する報告は少ない。育成牛はタンパク質に富む筋組織の増加が成長の主体でありこの時期の飼養管理最適化は泌乳性、繁殖性および供用年数に大きな影響を及ぼすため、育成牛への玄米給与に関するデータの蓄積が必要である。
そこで本研究では圧ぺんトウモロコシの代替飼料として、乾物で25%の破砕玄米給与が乳用種育成牛のルーメン内容液性状、血液性状および窒素利用性に及ぼす影響を評価し、代替利用の可能性を検討する。
成果の内容・特徴 1.圧ぺんトウモロコシを乾物で25%混合した発酵混合飼料(TMR,トウモロコシ区)と破砕玄米を乾物で25%混合した発酵TMR(玄米区)を作製し供試飼料とする(表1)。
2.予備期7日間および本試験5日間を1期とし2期2飼料処理区に2頭ずつ割り付ける反転試験法による飼養試験を行う。日本飼養標準・乳牛を参考にし増体量0.9kg/日を想定した設定量を給与する。破砕玄米の粒度分布は、0.5mm未満が18.7%、0.5mm以上1mm未満が26.5%、1mm以上2mm未満が50.0%、2mm以上が4.8%である(すべて乾物比)。
3.両区とも設定給与量をほぼ完食し、トウモロコシ区7.31kg、玄米区7.36kg(乾物)である。また、ルーメン内容液性状、血液性状に顕著な差は認められない(表2、表3)。
4.尿中への窒素排泄割合(尿中N量/N摂取量)は玄米区で有意に低いことから、窒素利用性の向上が示唆される(表4)。
成果の活用面・留意点 1.乳用種育成牛前期における、破砕玄米を用いた栄養管理の参考情報として活用できる。
2.玄米区で尿中への窒素排泄割合が低い理由について、本研究の結果では明らかになっていない。
3.本試験では、育成期における破砕玄米を用いた発酵TMRの長期間給与および発酵させないTMRの給与の影響については検討していない。
図表1 244638-1.png
研究内容 https://www.naro.go.jp/project/results/4th_laboratory/nilgs/2020/nilgs20_s12.html
カテゴリ 経営管理 飼育技術 とうもろこし 乳牛 繁殖性改善

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