相模湾周辺海域におけるマアジの生態と漁獲傾向について

タイトル 相模湾周辺海域におけるマアジの生態と漁獲傾向について
担当機関 (国研) 水産研究・教育機構 神奈川県水産技術センター
研究期間 2017~2020
研究担当者 高村正造
田村怜子
発行年度 2021
要約 相模湾の定置網漁業において重要魚種であるマアジについて、(1)ここ10年間の年間漁獲量の落ち込みが3~6月の漁獲量に大きく関係している(2)2歳以下のマアジが漁獲量の80%を占める(3)抱卵数は年齢に比例して多くなることなどが明らかとなった。また、太平洋系群と本海域の資源が同調しておらず、本海域の地付き資源として、有効に利用することが重要であると考えられる。
背景・ねらい 相模湾のマアジ漁獲は1990年代前半~2000年代後半まで年間1,000トン以上の漁獲があったが、2009年以降急激に減少し、近年は500トン以下の水準にまで低迷している(図1)。マアジは漁獲される魚類の中で最も高単価であり、年間の水揚総額に大きな影響を与えることから、相模湾の定置網漁業にとってマアジの存在は重要であり、持続的な利用を検討する必要がある。そこで、今後の資源利用について役立てるため、相模湾、相模灘のマアジの漁獲傾向の分析と生態について調査を行った。
成果の内容・特徴 1 マアジの漁獲量は2000年代の水準に対して2010年代は半分以下に減少している(図2)。月別では、盛漁期の3~6月を除いた漁獲量は概ね横ばいであることから、3~6月の大きな減少が年間総漁獲量を落ち込ませた要因であると考えられた(図3)。

2 2015-2019年の5年間の尾叉長について1525個体を調べた結果、その割合は180mm以下が50%、180-220mmが30%と、2歳以下のマアジが80%を占めていた(図4)。

3 抱卵数は尾叉長に対して比例して多くなった(図5)。

4 漁獲量の分析結果からマアジ太平洋系群と相模湾周辺海域におけるマアジ資源の推移は同調していないため、地付き資源が存在しており、本海域のマアジの漁獲に大きく関係している可能性が示唆された(図6)。
成果の活用面・留意点 1 地付き資源によって相模湾周辺海域のマアジ資源が支えられている可能性があり、また、相模湾周辺海域で再生産していることが確認されている。そのため、産卵期と推定される4~6月に大型親魚を再放流することが現存量を減らさないようにしながら本海域の総産卵量を増加させることにつながると期待できる。

2 一方、地付きアジの資源量の規模等は不明であり、それを推定するにはさらなる調査を行う必要がある。
図表1 249215-1.png
図表2 249215-2.png
図表3 249215-3.png
図表4 249215-4.png
図表5 249215-5.png
図表6 249215-6.png
研究内容 https://fra-seika.fra.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=11089&YEAR=2021
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