3 アユ冷水病研究 (2)アユ冷水病の診断及び保菌検査法の確立

課題名 3 アユ冷水病研究 (2)アユ冷水病の診断及び保菌検査法の確立
研究機関名 群馬県水産試験場
研究分担 水産環境グル-プ
研究期間 継H13~15
年度 2003
摘要 目的:アユの冷水病は天然水域や養殖場において大きな被害をもたらし全国的な問題となっており、その検査方法は全国組織であるアユ冷水病対策研究会で作成した「アユ冷水病防疫に関す申し合わせ事項」に示されている診断及び保菌検査方法に基づいて行われている。しかし、この検査方法においていくつかの問題点が浮き彫りとなったため、早急に精度の高い診断及び保菌検査方法を開発する必要性が高まっている。計画: 1)培養法の改善・培養条件 供試株はF. psychrophilumの標準株であるNCIMB1947TとFPC840、そして、県内分離株A3-1、A3-6、A3-30の計5株とした。供試株は滅菌改変サイトファーガブロスに接種した後、18℃で振とう培養し、24時間及び48時間後に培養液1mlを用いて、滅菌PBS(-)で希釈列を作製し、各培地に各希釈液を0.1ml添加し塗末した。塗末した培地(改変サイトファ-ガ-培地、グンマ培地、TYE培地)は18℃で培養し、毎日コロニーの繁殖などの観察を行い、コロニーの黄色色素が確認された際に菌数を計数した。 2)遺伝子検査法(PCR法)の開発・プライマー及びプロトコルの設計 GenBankに登録されているF. psychrophilumのgyrB領域における遺伝子配列で、塩基置換が多く見られるポジションで特異的なプライマー(Fpsy-F、Fpsy-R)を設計した。そして、「アユ冷水病防疫に関する申し合わせ事項」に示されているプロトコルで放流種苗の保菌検査を行い、プライマーPSY-1、PSY-2で陽性と判断されたものについて、プライマーFpsy-F、Fpsy-Rで最終判定を行った。また、培養法で分離した菌をプライマーFpsy-F、Fpsy-Rで同定を行い、陽性と確認された分離株を用いてプライマーPSY-1、Y-2及びプライマーPSY-G1F、PSY-G1R5)との整合性を確認した。得られた結果:   1)現在使用している検査培地の改変サイトファーガ培地とその培地を栄養強化したグンマ培地、そして、TYE培地を用いて、冷水病原因菌の培養条件等について検討したが、生菌数及び計数までの培養日数において培地間で差が認められなかった。しかし、F. psychrophilumは黄色コロニーのため、培地が白色である改変サイトファーガ培地ならびにTYE培地は黄色色素の確認が安易であったが、グンマ培地は培地がやや茶褐色であるため、両培地と比較し確認が困難であった。培養法は迅速性からコロニーの確認に要する日数を考慮するとTYE培地が適していると考えられた。今後、TYE培地の組成を基本としたさらなる選択培地の検討が必要と思われた。 2)県外放流種苗54検体(1検体あたり10尾)の保菌検査では、プライマーPSY-1、PSY-2の増幅産物が認められたものが35検体あり、この35検体についてプライマーFpsy-F、Fpsy-Rで検査を行ったところ、増幅産物が得られたのは4検体であった。 プライマーFpsy-F、Fpsy-Rにより陽性と判定した分離株36株はプライマーPSY-1、PSY-2及びプライマーPSY-G1F、PSY-G1Rを用いたPCR検査でも、全て両プライマーの増幅産物が認められ、整合性が確認された。なお、F. psychrophilumの標準株であるMB1947TとFPC840でも同様の結果が得られた。残された問題点:冷水病の感染経路を解明するためには、病原菌の魚体への浸潤機構の解明が必要である。
研究対象 アユ
戦略 水産
専門 水産環境
部門 河川湖沼等
カテゴリ 繁殖性改善

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