課題名 | 海洋深層水活用システム開発研究1 ミネラル調整技術開発 |
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研究機関名 |
高知県工業技術センター |
研究分担 |
資源環境部 |
研究期間 | 完H11~15 |
年度 | 2003 |
摘要 | 目的:資源エネルギー庁のプロジェクト研究「エネルギー使用合理化海洋資源活用システム開発」の研究の一環として実施する。ミネラル摂取用の飲料水など深層水高付加価値化のため、ナトリウム塩濃度を低減し、カルシウム、マグネシウム等のミネラル成分濃度が相対的に高い液を効率的に得るミネラル調整の膜処理システムの開発を行う。成果:1)分離膜の種類、特性についての検討○NF膜の評価試験 各メーカの各種膜を回収率試験より比較し深層水の分離に適した膜を得た。(H11~12)○ED膜の評価試験 EDの深層水に対する分離条件を検討し最適条件を見い出した。(H11~12)○システム設計 多段処理の可能性、不要成分の除去性、脱塩、浸透圧調整を考慮してシステム設計、試作を行った。(H11~12)2)ミネラル調整装置の試作と運用試験○深層水を用いての連続運転 ミネラル調整装置の試作機を用い、深層水送水管に直結させての連続運転を実施した。深層水中の目的としている2価イオンの変動は小さく、海洋深層水を原料としてミネラル液を作る際に、原水変動は問題がないことを確認した。逆浸透による海水淡水化は1年間安定した水質の水が得られ、前処理なしで膜も1年間使用できた。NF膜を使い1段目に海洋深層水中に含まれる硫酸イオンを除去し、さらに、NF膜を使い3回濃縮を繰り返すことにより、2価イオンの濃度が1価イオンより濃い水が得られた。(H13)○深層水濃縮水を用いての連続試験 十分利用されていないRO濃縮水に着目し、このシステムを用いてRO濃縮水からカルシウム、マグネシウム成分の濃縮を試みた。13年度までに開発した深層水のミネラル調整システムをRO濃縮水用に改造しシステム化した。新たに開所した海洋深層水共同研究センターに通水している深層水の水質を1年間測定した。その結果目的としている2価イオンCa、Mgの変動偏差率がそれぞれ2.6%、2.3%と小さく、海洋深層水を原料としてミネラル液を作る際に、原水変動は問題ないレベルだった。また、原料となるRO濃縮水においても、Ca、Mgそれぞれ5.7%、5.3%の変動偏差率であり安定したミネラル調整ができることを確認した。RO濃縮水での脱硫酸膜による硫酸イオン除去条件(透過回収率で20~40%)、ミネラル調整用NF膜による濃縮条件(濃縮回収率で17~33%)、多段濃縮による浸透圧の低減条件(希釈割合(濃縮液:希釈液)で1:2、1:4)を調べ、効率的な濃縮を繰り返すことにより2価イオンの濃縮水を得た。濃度では、1価イオン種約3200ppm程度、2価イオン種約4000ppm程度だった。2価イオン濃度で目標値に届かなかった。(H14)○深層水の温排水を用いての連続試験 循環系高温配管試験で使用後の温排深層水の成分は、深層水成分と比較して、一部の元素(亜鉛、銅)で若干高い値を示したが、おおむね水質に問題はなかった。また、脱硫酸処理過程で濃縮率が7~10%高くなった。(H15)3)ミネラル調整装置の技術評価と経済評価○濃縮システムの最適条件の把握 深層水、逆浸透膜濃縮水、温深層水を原水として、装置の回収率試験、希釈率試験を実施し、濃縮システムの最適化を行った。深層水で2価イオンの総濃度で7500ppm、1価イオンで3500ppmの濃縮結果だった。(H15)○ミネラル調整装置のコスト計算 この濃縮システムを従来の電気透析法、蒸留法の組み合わせで造水した場合と比較して、その電力消費量を求めた。その結果、従来法の7割の電力消費量となった。(H15) |
戦略 | 水産 |
専門 | 水産資源 |
部門 | 海洋 |
カテゴリ | 高付加価値 コスト |