摘要 |
ペレニアルライグラス「ポコロ」を活用する自給飼料依存型酪農の現地実証 (i) 試験目的:天北農試が開発した新品種「ポコロ」の早急な普及拡大を目指して草地への簡易・低コストな導入・定着技術と採草利用技術を現地において実証・展示する。 (ii) 試験結果: ア)H16年秋の「ポコロ」栽培戸数と面積は、8戸、20.3ha(放牧地6戸9.5ha、採草地2戸10.8ha)に達した。 イ)放牧地への作溝型播種機による簡易更新は、播種当年では冠部被度も10~20%程度であったが2年目秋で十分な植生改善効果が見られた。 ウ)採草地のギシギシ対策は、3年目草地の2番草収穫後の除草剤(チフェンスルフロンメチル水和剤)散布により除草効果が十分に認められた。 エ)採草地のスラリー主体施肥管理は、年3回(1,2,3番草収穫後)、合計15t/10a施用で3年目草地のPR率は80、56、77%、 牧草収量は現物5,949kg/10a、乾物1,003kg/10aを確保できたが、土壌中のカリウム、苦土が高めに推移した。 オ)6月に除草剤無処理で造成した「ポコロ」は、播種当年の1番草で広葉雑草の混入が多く、予乾が不十分なためサイレージの発酵品質が不良であった。 カ)実証農家における「ポコロ」サイレージのし好性調査は、天北農試産の「ポコロ」と農家産のチモシーサイレージを比較した結果、「ポコロ」は乾物採食量が少なかったが、個体乳量は若干多く、給与時の食いつきに大きな差が見られ、農家の高い評価を得た。
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