抗生物質の使用を低減するための子牛の衛生管理技術

課題名 抗生物質の使用を低減するための子牛の衛生管理技術
研究機関名 北海道立畜産試験場
研究分担 畜産工学部感染予防科
家畜生産部育種科
研究期間 H16~18
年度 2004
摘要 目的:酪農・畜産の家畜生産現場では大規模・集約化が進み、子牛の群飼育が増加し、下痢症や呼吸器病などの日和見感染症や複合感染症が誘発されることが懸念されている。また、疾病の治療予防の使用される抗生物質に対する耐性菌の増加が問題となっている。本課題では、子牛疾病の発生要因を解析し、疾病予防のための重要管理点を明らかにし、子牛の群飼育においてできるだけ抗生物質を使わずに感染症を予防する衛生プログラム指針を作成する。方法:1)子牛の集団哺育農場における呼吸器病起因微生物の検索:子牛の集団哺育を行っている3農場4群63頭の子牛について、導入後5か月までの間に3~4回鼻腔内スワブを採取し、病原検索を行い、分離菌について薬剤感受性試験を実施した。 2)子牛の集団哺育農場における呼吸器病ウイルスに対するワクチネーションプログラム:子牛の集団哺育を行っている4農場のワクチネーションプログラムを調査し、4農場5群77頭についてワクチン接種前から最終ワクチン接種1か月後まで経時的に採血し、子牛血清中の呼吸器病ウイルスに対する中和抗体価を測定した。成績の概要:1)子牛の集団哺育農場における呼吸器病起因微生物の検索:子牛の鼻腔内スワブから、呼吸器病の原因となるPauteurella multocida (Pm), Mannheimia haemolytica (Mh),およびMycoplasma bovis, M.dispar, M.bovirhinis, M.alkalescenseが検出され、238検体中82検体(34.5%)に細菌とマイコプラズマの混合感染が認められた。分離菌の薬剤感受性試験では、Pm 98株中84株(85.7%)とMh 40株中19株(47.5%)がオキシテトラサイクリン(OTC)に耐性を示した。 2)子牛の集団哺育農場における呼吸器病ウイルスに対するワクチネーションプログラム:子牛導入時の抗体保有状況は農場によって異なり、抗体陽性率はホルスタイン種雌子牛では高かったが、市場導入の交雑種子牛では陽性率80%未満のウイルス抗体があった。ワクチン接種後に抗体が有意に上昇した子牛の割合が低い農場ではワクチネーションプログラムの見直しが必要と思 われた。以上の成績より、子牛の集団哺育農場では複数の呼吸器病起因微生物が存在し、子牛呼吸器病の集団発生の可能性があることが示唆された。また、OTC耐性菌が高率に検出されていることから、疾病の予防治療に使用される抗生物質の選択には注意が必要である。呼吸器病予防のためのワクチネーションプログラムは、導入時の移行抗体保有状況、牛舎環境、野外ウイルスの流行などの要因を考慮しながら設定する必要があると考えられた。
研究対象 牛
戦略 畜産
専門 家畜衛生
部門 牛
カテゴリ 管理技術 飼育技術 耐性菌 乳牛 薬剤

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