課題名 |
胚と栄養膜細胞との共移植による受胎率向上技術の開発 |
研究機関名 |
北海道立畜産試験場
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研究分担 |
畜産工学部受精卵移植科・遺伝子工学科・家畜生産部育種科
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研究期間 |
H15~17 |
年度 |
2004 |
摘要 |
目的:妊娠認識に必要な栄養膜細胞量の解明および胚と栄養膜細胞との共移植が受胎率に及ぼす影響の検討を行う。本年度は、正常胚におけるIFNtau分泌量の解明および栄養膜細胞におけるIFNtau分泌量の解明について検討する。方法:1)正常胚におけるIFNtau分泌量の解明:正常な生体由来胚1個をDay8の供試牛に移植し、Day12~Day28に子宮灌流により回収する。その子宮灌流液中のIFNtau量、回収した胚のIFNtauのmRNA発現量、供試牛のP値を測定する。2)栄養膜細胞におけるIFNtau分泌量の解明:栄養膜細胞をDay8の受胚牛に移植し、Day16に子宮灌流により回収する。その子宮灌流液中のIFNtau量、供試牛のP値を測定する。成績の概要:1)正常胚におけるIFNtau分泌量の解明:延べ63頭(対照6頭を含む)の供試牛の子宮灌流を行い、ほとんどの供試牛において注入量と同程度の灌流液が回収できた。30頭の供試牛で、胚が回収でき、回収率は約53%(30/57)であった。移植時、Day16、子宮灌流時の血中P値は、すべて2ng/ml以上であり、機能性黄体が存在したと考えられた。IFNtauのmRNA発現量は胚の日齢と共に増加し、Day18で有意に高くなり、Day20からまた減少した。子宮灌流液中のIFNtau濃度も胚の日齢と共に増加し、Day20で最高になり、その後減少した。2)栄養膜細胞におけるIFNtau分泌量の解明:延べ4頭の供試牛に栄養膜小胞のみを、延べ4頭の供試牛に胚および栄養膜小胞を移植し、子宮灌流を行った。すべての供試牛において注入量と同程度の灌流液が回収できたが、栄養膜小胞は回収できなかった。2頭の供試牛で胚を回収できたが、いずれも変性胚であり、発育した胚は回収できなかった。子宮灌流液中のIFNtau量、供試牛のP値は測定中である。
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研究対象 |
牛
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戦略 |
ゲノム等先端
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専門 |
生命科学
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部門 |
牛
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カテゴリ |
機能性
受胎率向上
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