課題名 | サイレージのヒートダメージが軽種馬の消化性に及ぼす影響解明 |
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研究機関名 |
北海道立畜産試験場 |
研究分担 |
環境草地部草地飼料科 家畜生産部肉牛飼養科 |
研究期間 | H15~17 |
年度 | 2004 |
摘要 | 目的:牧草サイレージ調製条件の違いによる蛋白組成の変化が軽種馬の消化性に及ぼす影響を明らかにする。本年度は、予乾サイレージを加熱乾燥させて人工的にヒートダメージ牧草を調製し、消化率への影響を検討した。方法:1)サイレージ品質の実態調査ねらい:サイレージ利用軽種馬農家におけるサイレージ品質の実態調査を行う。調査項目:番草、水分、一般成分2)ヒートダメージサイレージの栄養価評価ねらい:サイレージ加熱程度の違いが成分消化率に及ぼす影響を明らかにする。調査方法:チモシー主体1番草予乾サイレージを人工乾草に調製。60℃48h乾燥処理(60℃区)と80℃96h乾燥処理(80℃区)の消化率を飽食条件全糞採取法、反転法の試験配置により比較。3)インビトロ消化試験法の検討ねらい:インビトロの消化試験では糞を接種源としてインビトロでの消化液作成を検討する。供試材料:in vivo消化試験済み牧草サンプル6点方法:人工消化液(Mcdougall)4:馬新鮮糞1混合ろ液でサンプルを16hr培養し乾物分解率を測定した。成績の概要1)軽種馬農家から十勝農協連農産化学研究所に持ち込まれたサンプルはサイレージが6点、乾草が98点とサイレージが圧倒的に少なかった。CPに占める結合性蛋白(CPb)の割合はCP含量が低いほど高くなった2)60℃区と80℃区の処理間で乾物摂取量、BUN、NEFAには差が認められず、乾物消化率では60℃区が49.2%、80℃が44.3%で、80℃区が有意に低い値を示した。成分含量ではOb(DM%)、CPs(CP%)が60℃区で高く、CPu(CP%)およびNDICP(DM%)が80℃区で高かった。CPb含量の違い有意ではあったが小さかった。このことから、ヒートダメージは馬の消化率に影響を及ぼすこと、ヒートダメージの判別はNDICPあるいはCPuが有効であることが示唆された。3)invivo乾物消化率との関係はインビトロ乾物分解率でr2=0.84、Ob含量でr2=0.81となり、消化性評価指標としてインビトロ乾物分解率がOb含量より優れている可能性が示唆された |
研究対象 | 飼料作物 |
戦略 | 畜産 |
専門 | 栽培生理 |
部門 | 草地・飼料作 |
カテゴリ | 馬 乾燥 飼料作物 |