直播水稲の生育安定化及び収量向上技術

• 研究機関名: 岩手県農業研究センター
• 研究分担: 水田作
• 研究期間: 継H15～17
• 年度: 2004
• 摘要: 目的：本県の直播栽培面積は、近年増加してきており、平成14年度では約40haが見込まれる。しかし、直播栽培を試作的に導入する事例が多く、本格的に経営の中に定着している事例はまだ少ない。その要因の一つとして、初期の苗立ちが不安定なこと及び移植に比べて収量が低いことが上げられる。そこで、ここでは直播栽培の収量性を向上のため、出芽苗立ち及び初期生育の安定化（播種前種子予措技術及び気象に対応した播種後水管理、雑草防除等）、収量確保のための生育目標・指標を策定する。; 到達目標：（ア）出芽・苗立ちの向上と生育の安定化 ; （イ）直播栽培における生育指標の策定; （ウ）カルパーコーティング種子の貯蔵方法（貯蔵方法、期間）; （エ）直播栽培における難防除雑草及び抵抗性雑草の防除法の確立 ; （オ）収量500kgの確保を目標とした直播技術体系の確立; 予定成果(初年目)：コーティング種子の貯蔵方法（温度、期間）; 成果：ア 出芽・苗立ちの向上を図るため、(i)基本的浸種条件（温度、期間）の徹底、(ii)適正播種深0.5～1.0cmを目標、(iii)播種後落水管理（7～14日間）の徹底が重要である。また、カルパー粉衣籾の加温処理による出芽揃い・初期葉齢進展の効果が期待される（地域基幹研究、H11～14）。 ; イ カルパーコーティング種子の貯蔵性については、常温貯蔵では7日間程度（千葉農試、1990）、低温貯蔵（5℃）では20日間程度（千葉農試1990、九州農試1997）保存が可能であることが報告されている。 ; ウ 岩手県において点播栽培で、収量480～500kg／10aを確保するためには、目標播種量を乾籾で5kg／10aとし、苗立ち本数は100～120本／m2程度必要である（地域基幹研究、H11～14）。; エ 緩効性肥料を用いた全量一発施肥体系では、施肥窒素量の5割をLP100、5割を速効性肥料で施用することにより、慣行施肥体系と同程度の初期生育量を確保できるが、後半の生育量が劣り、収量も慣行施肥体系より劣った（地域基幹研究、H11～14）。; オ 稲の葉齢、雑草の発生消長及び除草剤の殺草葉齢を考慮して、湛水直播栽培における初期・初中期一発処理剤による雑草防除体系を提示した（地域基幹研究、H11～14）。
• 研究対象: 水稲
• 専門: 栽培生理
• 部門: 水稲
• カテゴリ: 肥料 病害虫 経営管理 雑草 直播栽培 収量向上 除草剤 水稲 施肥 抵抗性 難防除雑草 播種 防除 水管理