課題名 | 果菜類における低コスト・安定生産のための新露地栽培体系の確立 |
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研究機関名 |
岩手県農業研究センター |
研究分担 |
野菜畑作 |
研究期間 | 完H14~16 |
年度 | 2004 |
摘要 | 目的:本県のキュウリ栽培は、7~9月収穫を目的とする露地夏秋どり作型が中心である。しかし、露地栽培においては7~8月の収穫ピーク時に整枝誘引や防除等の管理作業が重なることから、草勢管理が行き届かず、早期枯れ上がりが発生し、後半の生産が不安定となる傾向にある。また、草勢管理の一環としての栄養診断に基づいた追肥技術については検討が不十分であり、早急な基準作成が生産現場から求められている。そこで、本試験では露地栽培における9月の生産量確保を前提とした長期安定生産技術に対応した整枝方法及び追肥技術について検討する。また、トマトの簡易雨よけ栽培は、稲作地帯の転作田や中山間地で行われており、パイプハウスなどの施設を使用しないため低コストで、通常の雨よけ栽培のトマトが高温の影響などで品質の低下する7月下旬以降に収穫開始となるなどのメリットがある。一方、風雨にさらされたり土壌水分の変動が大きいことなどから裂果や尻腐れ果などの障害果が多発し、生産が不安定となっている。そこで、栽培条件や管理法、適応品種などの検討を行い、トマト簡易雨よけ栽培の安定化技術の確立を目指す。 到達目標:ア 夏秋キュウリにおける長期安定生産技術の確立 イ 生産が安定し、省力的なトマトの簡易雨よけ栽培技術の確立 予定成果(初年目):・キュウリの整枝方法が生育に及ぼす影響が明らかとなる ・トマトの障害果発生低減に効果のあるCa資材の選定 期待効果:ア 夏秋キュウリの長期安定生産による生産量の確保 イ トマトの障害果発生低減による収量、品質の向上 ウ トマトの不耕起栽培の確立による省力・低コスト化 成果:ア 夏秋キュウリの長期安定生産技術の確立(ア)現場でのリアルタイム栄養診断により、追肥回数や追肥量を節減できる。(H6埼玉園試) (イ)キュウリ「夏ばやし」はうどんこ病に強く、収量性が高い品種である。(H12、野菜畑作研究室) イ トマトの簡易雨よけトマト栽培の安定化技術の確立(ア)トマト果実の石灰含量は果実発育期間前半30日のうちの15~30日間の欠如が大きく影響し、後半30日のうちの15~30日間の欠如はほとんど影響しない。(S36農及園)(イ)肥効調節型肥料を仮植ポットへ施肥する場合、土壌のECは低く推移するが、慣行と同等の収量が得られた。また、慣行量の6割に減肥しても同等の収量が得られた。(H9広島農技セ)(ウ)不耕起栽培8作目においても慣行の耕起区と比較して収量が同等以上あり、品質面でも差がみられないことから、不耕起の継続栽培は十分可能であると判断された。(H12兵庫中央農試)(エ)育苗中の低夜温によるチャック果・窓あき果の発生をCa剤の葉面散布で低減できた。また、品種「彩果」は「桃太郎8」と比較して低夜温によるチャック果・窓あき果の発生が明らかに少なかった。(H12岩手農研セ)(オ)雨よけ夏秋どり作型において、「麗夏」は「桃太郎8」などの他品種と比較して裂果の発生率が低かった。(H13岩手農研セ) 成果要約:ア 夏秋キュウリの長期安定生産技術の確立(ア)「夏ばやし」では半放任整枝が、「夏すずみ」では力枝整枝で収量が多かった。(イ)かん注施肥技術またはかん水施肥技術は効果的であった。 イ トマト簡易雨よけ栽培の安定化技術の確立(ア)品種では、「麗夏」は裂果が少なく収量が多かった。「桃太郎T93」は「桃太郎8」並の収量で、「彩果」は小玉傾向で収量が劣った。(イ)スイカル、ハイカルック、スーパーノルチッソを処理することにより収量が多くなることが認められた。しかし、障害果の発生軽減については、スーパーノルチッソを処理することにより裂果の発生が減少した他は、効果は明らかでなかった。(ウ)不耕起栽培では液肥追肥を行うことにより、前半の収量は劣るが全期間では収量が確保された。また、部分耕栽培は慣行の耕起栽培に比べて収量は劣るが、リンゴチップをマルチした区では収量が高くなった。 残された問題:ア 夏秋キュウリの長期安定生産技術の確立(ア)側枝の発生量の異なる2品種について適した整枝方法が明らかとなったが、整枝方法に対応した栽植距離の検討が必要であり、15年度に実施する。(イ)栽培期間中の最適葉柄汁液中硝酸イオン濃度を解明するため、様々な栽培環境下でのサンプルを測定する必要がある。また、長期生産に対応したサンプル採取部位に ついても検討が必要である。 イ トマト簡易雨よけ栽培の安定化技術の確立(ア)簡易雨よけ栽培に適した品種選定(イ)Ca資材による障害果発生低減効果の確認(ウ)不耕起による施肥方法、部分耕のマルチの種類等の検討 |
研究対象 | キュウリ |
戦略 | 園芸 |
専門 | 栽培生理 |
部門 | 野菜 |
カテゴリ | 肥料 育苗 うどんこ病 栄養診断 きゅうり 栽培技術 栽培条件 栽培体系 障害果 施肥 中山間地域 低コスト トマト 品種 不耕起栽培 防除 りんご |