課題名 | トマト簡易雨よけ栽培の安定化技術の確立 |
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研究機関名 |
岩手県農業研究センター |
研究分担 |
野菜畑作 |
研究期間 | 完H14~16 |
年度 | 2004 |
摘要 | 目的:稲作地帯の転作田や中山間地で行われているトマトの簡易雨よけ栽培はパイプハウスなどの施設を使用しないため低コストで、通常の雨よけ栽培のトマトが高温の影響などで品質の低下する7月下旬以降に収穫開始となるなどのメリットがある。一方、風雨にさらされたり土壌水分の変動が大きいことなどから裂果や尻腐れ果などの障害果が多発し、生産が不安定となっている。そこで、栽培条件や管理法、適応品種などの検討を行い、トマト簡易雨よけ栽培の安定化技術の確立を目指す。 到達目標:生産が安定し省力的なトマトの簡易雨よけ栽培技術の確立 予定成果(初年目):・障害果発生低減に効果のあるCa資材の選定 成果:ア トマト果実の石灰含量は果実発育期間前半30日のうちの15~30日間の欠如が大きく影響し、後半30日のうちの15~30日間の欠如はほとんど影響しない。(S36農及園) イ 肥効調節型肥料を仮植ポットへ施肥する場合、土壌のECは低く推移するが、慣行と同等の収量が得られた。また、慣行量の6割に減肥しても同等の収量が得られた。(H9広島農技セ) ウ 不耕起栽培8作目においても慣行の耕起区と比較して収量が同等以上あり、品質面でも差がみられないことから、不耕起の継続栽培は十分可能であると判断された。(H12兵庫中央農試) エ 育苗中の低夜温によるチャック果・窓あき果の発生をCa剤の葉面散布で低減できた。また、品種「彩果」は「桃太郎8」と比較して低夜温によるチャック果・窓あき果の発生が明らかに少なかった。(H12岩手農研セ) オ 雨よけ夏秋どり作型において、「麗夏」は「桃太郎8」などの他品種と比較して裂果の発生率が低かった。(H13岩手農研セ) 成果要約:(ア)品種では、「麗夏」は裂果が少なく収量が多かった。「桃太郎T93」は「桃太郎8」並の収量で、「彩果」は小玉傾向で収量が劣った。 (イ)スイカル、ハイカルック、スーパーノルチッソを処理することにより収量が多くなることが認められた。しかし、障害果の発生軽減については、スーパーノルチッソを処理することにより裂果の発生が減少した他は、効果は明らかでなかった。 (ウ)不耕起栽培では液肥追肥を行うことにより、前半の収量は劣るが全期間では収量が確保された。また、部分耕栽培は慣行の耕起栽培に比べて収量は劣るが、リンゴチップをマルチした区では収量が高くなった。 残された問題:(ア)簡易雨よけ栽培に適した品種選定 (イ)Ca資材による障害果発生低減効果の確認 (ウ)不耕起による施肥方法、部分耕のマルチの種類等の検討 |
研究対象 | トマト |
戦略 | 園芸 |
専門 | 栽培生理 |
部門 | 野菜 |
カテゴリ | 肥料 育苗 栽培技術 栽培条件 障害果 施肥 中山間地域 低コスト トマト 品種 不耕起栽培 りんご |