高冷地レタスの高位安定生産技術の確立

課題名 高冷地レタスの高位安定生産技術の確立
研究機関名 岩手県農業研究センター
研究分担 産地育成
研究期間 継H15~19
年度 2004
摘要 目的:ア 近年、本県の夏秋レタスの主産地である一戸町奥中山地区において、夏秋期の収量が腐敗性病害の発生等により不安定なことから、市場評価が低下し安定した販路を確保することが難しくなってきている。
イ そのため、夏秋レタスの収量安定化に向けた総合的な技術対策が生産現場から強く求められている。
到達目標:ア 産地における腐敗性病害の発生実態が明らかとなり、効果的な防除法が確立される。 
イ 腐敗性病害に耐病性を有する商品性の高い優良品種が選定される。 
ウ 薬剤や耕種的防除を組み合わせた腐敗性病害の総合防除技術が確立される。 
エ 高冷地レタスの高位安定生産技術が確立される。
予定成果(初年目):産地における腐敗病など腐敗性病害の発生実態が明らかとなる。
期待効果:ア 夏秋レタスの収量・品質が安定し、生産拡大されるとともに、安定した継続出荷が再構築され、責任産地としての市場評価の回復、向上が図られる。  
イ 単収と品質の向上により有利販売が可能となり、土地利用型野菜経営の所得向上が図られる。
成果:(1)県内のレタス作型別発生病害と診断法を明らかにした。(昭和59年岩手園試環境部) 
(2)腐敗病の病原菌はPseudomonas cichoriiが主である(同上)。 
(3)P.cichorii菌数の推移と腐敗病発病との関係について明らかとなっている。(1996 曵地ら) 
(4)レタス腐敗病に関し、病原菌の同定、発生生態、レタス品種に対する罹病性、防除法について明らかとなっている。(1982 年長野県野菜花き試) 
(5)レタスの被害残さとノボロギク、ヨモギ、ナズナなどの雑草が次作レタスの伝染源となる(1982 農技研報) 
(6)レタス腐敗病の感受性は、生育期、葉位、葉部位により差がある。(1982農技研報) 
(7)腐敗病に対するレタス品種の抵抗性は、バンガ-ドタイプの品種が高く、エンパイヤ-タイプ及びフルトンタイプ(マック)の品種で低い。グレ-トレイクスタイプの品種はその中間となり品種間差が認められる。(平成6年度野菜茶業試験場)
(8)5月上旬播種作型で一戸町奥中山地区において品種比較を実施した結果、種苗会社育成3品種において腐敗が少なかったが、変形球等の発生が多く標準品種「サクセス」に優るものは認められなかった。(平成13年度岩手県経済連) 
(9)夏秋期に発生する主なレタス腐敗性病害(すそ枯れ病、軟腐病、腐敗病)は、高温多湿条件で発生が多く見られる(いわての農作物病害虫図鑑(III)野菜・花き編)
(10)腐敗病多発の気象要因は、現地事例から気温20℃前後で日降雨量60mm以上のとなった後腐敗病の発生が多くなる。腐敗病発生量と圃場の土壌条件との関係は、下層土まで土壌硬度が低く透水性の良い圃場や排水対策(圃場外へ排出)がとられている圃場で発病が少ない傾向があった。(平成14年二戸普及センタ-実態調査)
(11)レタス腐敗病に対して、ストレプトマイシン剤の散布は防除効果が高い。また、バリダマイシン液剤や定植前のプロベナゾール剤の施用を組み合わせた体系処理も有効である。(平成14年度岩手県試験研究成果)
研究対象 レタス
戦略 土地利用型農業
専門 栽培生理
部門 野菜
カテゴリ 病害虫 害虫 経営管理 栽培技術 雑草 出荷調整 生産拡大 総合防除技術 抵抗性 播種 品種 防除 薬剤 よもぎ レタス

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