課題名 | 高規格施設におけるトマト養液周年栽培技術の確立・実証 |
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研究機関名 |
岩手県農業研究センター |
研究分担 |
南部園芸 |
研究期間 | 継H16~18 |
年度 | 2004 |
摘要 | 目的:高規格ハウスにおける養液栽培は、労働軽減によるシステム生産が可能であると同時に労働の年間配分をある程度均一化できる。またコンピューターを利用して環境制御等を行うため、マニュアル的な肥培管理や作業により効率的な生産を行うことができ、土つくりなどの長年の技術習得も必要ないことから、東北では宮城県を中心に大規模高生産性園芸施設が導入されている。岩手県では、大規模な養液栽培施設はこれまで導入の経過はなく、県内一部地域ではトマトでこれらの養液栽培施設導入の可能性を探っているが、県としての大規模養液栽培技術に関する基礎的な知見がない。そこで、県南部沿岸地域の冬期温暖な気象条件を生かしたトマトの養液栽培の実証により、岩手県での養液栽培施設導入のための知見を得ることを目的とする。 到達目標:岩手県沿岸部の気候に適した養液栽培によるトマト周年栽培技術の実証 予定成果(初年目):・好適な培地温の解明 ・定植期と周年収量の関係把握 ・ロックウール代替資材の選抜 期待効果:ア 岩手県内における大規模養液栽培経営体の設立。 イ 果菜類経営の専作化による所得向上。 成果:(1)トマトロックウール耕において生育は給液濃度が濃いほど促進され、収量は給液濃度が薄いほど多くなった。給液管理の簡素化のためには培養液のECを1.2dS/mが良いと考えられた。(平成11年栃木県農業試験場) (2)ミニトマトにおけるベンチ栽培ではM級以上の発生比率は、生育が進むにつれて急激に低下した。これは、培地内ECが高まったため、根の活性が抑えられ、玉の肥大が抑制されたためと考えられる。また最低地温はベンチ・地床ではほぼ同等であったが、ベンチ栽培では緩衝能が低いためか12月に苦土欠乏症状が中位葉に発生した。(平成14年静岡県農業試験場専門技術員調査研究) (3)ロックウール栽培、NFT栽培において、ファーストパワーは着果数が多く果実肥大性に優れるためMg欠乏症が中位葉~上位葉に発生しやすい。特に培養液の高濃度、低培地温管理でこの傾向が強い。そのため、急激な果実肥大を促すような日中の高温管理をやめ、培地温度は18℃程度を目標にする。また桃太郎は初期生育が旺盛になりやすいため3段果房開花期までの培養液濃度をEC1.2Ms/cm程度と低くする。(昭和63年徳島県立農業試験場) (4)緩効性肥料を使用することで、途中、追肥を行わずに長期間連続した栽培が可能となる。この時、抑制作型において耕起せずに植穴に置床するだけでも十分な収量が見こまれる。また、脇芽を挿し芽苗として利用し低段密植栽培することも可能で、種子苗を用いた置床栽培と同程度の収量が得られる。(平成12年度岩手県農業研究センター南部園芸研究室) (5)トマト養液栽培で粉砕籾殻培地を使って少量多回数給液法で給液管理をすることにより、ロックウール培地に近い生育、収量が得られる。(平成8年福井県農業試験場) (6)もみがら耕装置での促成トマトの養液栽培は、土耕並みの収量が得られる。養液は大塚A処方で活着時EC1.0dS/m、第4花房 開花期以降2.4dS/mで管理する。給液量は0.5L/株/回で生育に併せて回数を加減する。培地は3作まで使用が可能である。(平成10年大分県農業技術センター) (7)トマト閉鎖型循環方式によるロックウール代替培地として、くん炭、やしがら、もみがらを検討したところ、くん炭はロックウールと同等の収量が得られ、やしがら及びもみがらは製品や利用法によってはロックウールと同等の収量が確保できる可能性があった。(平成13年神奈川県農業総合研究所) |
研究対象 | トマト |
戦略 | 園芸 |
専門 | 栽培生理 |
部門 | 野菜 |
カテゴリ | 土づくり 肥料 環境制御 くり 経営管理 栽培技術 トマト 肥培管理 ミニトマト 養液栽培 |