課題名 | 発生予察に基づく水稲害虫の効率的防除体系の広域的実証 |
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研究機関名 |
岩手県農業研究センター |
研究分担 |
病理昆虫 |
研究期間 | 継H16~18 |
年度 | 2004 |
摘要 | 目的:県内で防除対象とする主な水稲害虫は、初期害虫であるイネドロオイムシ、イネミズゾウムシと、出穂期以降に本田侵入する斑点米カメムシ類である。初期害虫については毎年の防除は不必要であり、発生予察に基づく次年度の防除要否判定法の開発に取り組んでいる。斑点米カメムシ類については、発生源となるイタリアンライグラス牧草地や畦畔雑草などに対する耕種的防除と、発生予察に基づく適期防除を組み合わせた総合防除技術の試験に取り組んでおり、成果として提案予定である。しかし、現時点での知見は小規模面積での試験によるものであり、また、体系化防除には未着手である。そのため、これらの害虫の発生予察に基づく効率的な防除体系について広域的に実証し、地域における殺虫剤散布回数の低減を図る。 到達目標:殺虫剤の使用回数を低減した防除体系の組み立て 予定成果(初年目):初期害虫は当年度の発生程度による次年度の防除要否判断の妥当性が確認される。斑点米カメムシ類は、本田の加害実態および薬剤防除適期、耕種的防除の有効性が明らかになる。 成果:ア 当年の要防除水準は、イネミズゾウムシは本田侵入最盛期の成虫密度が0.3頭/株(1985、岩手農試)、イネドロオイムシは産卵最盛期の卵塊数が0.5個/株(1978、小山)とされている。 イ 初期害虫を一斉に防除した翌年は、無防除にしてもイネドロオイムシ、イネミズゾウムシともに要防除水準以下にとどまる(H13研究成果)。また、害虫が外部から侵入しない条件の水田では、一斉防除後2年以上無防除にしても初期害虫は要防除水準以下にとどまる事例がある(2002,2003)。 ウ アカスジカスミカメの発生源がある場合、被害許容水準を超える斑点米が発生したのは、発生源から30m以内の範囲であった。畦畔にイネ科植物が出穂開花している場合、それを中継点として離れた地点でも斑点米が発生する可能性が考えられる(1990、一守ら) エ 斑点米カメムシ類の薬剤による防除適期は乳熟初期(出穂7~14日後)である。ただし、転作牧草のイタリアンライグラスに隣接している圃場等発生密度が高い場合には穂揃期ごろから、割れ籾の多発が予想される場合には乳熟後期(出穂20日後)まで防除が必要である(1993、岩手農試)。 |
研究対象 | 水稲 |
専門 | 虫害 |
部門 | 水稲 |
カテゴリ | 病害虫 アカスジカスミカメ イタリアンライグラス 害虫 雑草 水田 水稲 総合防除技術 斑点米 斑点米カメムシ 防除 薬剤 |