課題名 | 安全安心なホウレンソウの栽培技術の実証 |
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研究機関名 |
岩手県農業研究センター |
研究分担 |
保鮮流通技術 |
研究期間 | 継H16~20 |
年度 | 2004 |
摘要 | 目的:食の安全・安心が強く求められる中、消費者ニーズは多様化、高度化し農産物の品質に対する要望が高まっており、すでに、果実では糖度センサーの導入により、内部品質で差別化が図られている。生鮮野菜についても、栄養価やおいしさが求められているが、おいしさ保証された農産物の出荷に取り組む事例は全国的にもごく限られている。県産生鮮野菜についても、安全性や、鮮度に加えおいしさを示すことが求められており、特に、主産地としての持続的な生産、より安全で安心できる減農薬、減化学肥料栽培、環境にやさしい技術(エコファーマー技術)の導入・普及が強く求められている。そこで、主要品目の雨よけホウレンソウを実例として、本県主産地において、健康な土の維持管理技術を基本に、減化学、減農薬栽培技術の実証や、栄養価、鮮度、おいしさを考えた高品質ホウレンソウの生産技術の体系化をはかり、もって産地力の向上に資する。 到達目標:ア 持続的で安定生産が行える雨よけホウレンソウの土づくり技術が示される。 イ 特別栽培を行う生産者向けに有機物利用による減化学肥料栽培技術が示される。 ウ 本県産ホウレンソウの栄養価の指標、旬の情報、鮮度の評価手法が示される。 エ 栄養価、鮮度、おいしさを保つ栽培技術の組み合わせ体系が明らかになる。 オ 化学合成資材の投入量を削減した特別栽培農産物生産技術が示される。 予定成果(初年目):4.栄養価、鮮度、おいしさを高める栽培技術の効果について初年目の評価が明らかとなる。 5.ホウレンソウ栽培におけるヨトウガへのBT剤の防除効果が認められる 期待効果:ア 雨よけホウレンソウの持続的な土づくり、減化学肥料栽培、農薬使用量の低減、栄養価、旬、鮮度にこだわった栽培技術の実施により、より安全で栄養価に優れた高品質な本県産ホウレンソウが供給できる。 イ 生産者が、特別栽培農産物に対応した生産技術、エコファーマー支援技術を採用し、安全安心な産地として、消費者のニーズに寄与できる。 成果:ア オガクズ牛ふんたい肥8t/10a施用すると生鮮中硝酸濃度は低下する傾向にある。(H14年度研究成果) イ 施設栽培トマトについて牛ふん尿由来たい肥1t/10aにつき連用5年未満では基肥1kg/10a+追肥1kg/10a、連用5年以上で基肥1kg/10a+追肥2kg/10a減肥する。(H14成果情報道南農試) ウ 1%SDS水溶液による可給態窒素の簡易推定法は、本県の黒ボク土においても有効である。無機態窒素含量の多い土壌では、はずれる場合がある。(H14年度研究成果) エ 有機質肥料を使うことで、発芽率・残存株率が低下する傾向にあった。(H11研究成果(研究)) オ オガクズ牛ふんたい肥を施用すると、連用4年目でたい肥単用区でも化学肥料区以上の収量を得た。(H14試験成績書(未定稿))カ雨よけホウレンソウの年間養分吸収量は、おおよそ窒素15kg/10a、リン酸4kg/10a、カリ60kg/10aであった。(H14試験成績書(未定稿)) キ ホウレンソウの内部品質指標の策定にあたり、安全性の面では硝酸、栄養価の面ではビタミンC、食味の面では、還元糖がそれぞれ重要成分であると考えられた。(指導参考事項北海道道南農試S61年) ク 高品質ホウレンソウは栄養成分として、ビタミンCやβ-カロチン含量が高く、逆に硝酸やシュウ酸含量の少ないことが望まれる。糖含量は食味に関係する大きな要素であるが栽培時期によって変化が大きく高品質の基準としては、作型や収穫時期等を考慮した検討が必要である。(野菜の品質をめぐる最近の諸問題野菜茶業試験場久留米支場H9) ケ 盛夏期に高温である年には、かん水や遮光などにより水分や地温をコントロールすることにより収量及び外観品質の向上をはかることができる。(平成15年度野菜栽培技術指針岩手県) コ かん水により一気に伸長した場合には生体中硝酸濃度が高まる。光合成を活発に行ったホウレンソウでは生体中硝酸濃度が低下する傾向にある(未発表)。 サ チェーンポット苗移植栽培によりホウレンソウ萎ちょう病の発病を軽減(H9研究) シ ホウレンソウ土壌病害発生圃場において、カニ殻発酵資材を施用することにより萎ちょう病と根腐病の発生を軽減(H9指導) ス ホウレンソウの無農薬栽培では夏季高温年に害虫の食害による外観品質の大幅な低下がある(H11研究) |
研究対象 | ホウレンソウ |
戦略 | 環境 |
専門 | 環境 |
部門 | 野菜 |
カテゴリ | 土づくり 肥料 病害虫 害虫 管理技術 栽培技術 施設栽培 出荷調整 茶 トマト 根腐病 農薬 防除 ほうれんそう 野菜栽培 良食味 |