摘要 |
目的:気仙地方に根付いた果物である「小枝柿」(作付面積42ha)は、気仙特産の干し柿「ころ柿」や脱渋後の生食、ころ柿くん(シソ巻)・柿ワイン・柿アイス等の加工品に利用されている。また、近年、剪定や接ぎ木の実施により従来の「小枝柿」とは外観の異なる果実(大果、果頂部が凹み皮が剥きづらい)が収穫されるようになり、生食用としての期待が高まっている。しかし、生食用については脱渋中の腐敗・黒ずみ(傷)が発生し、品質低下の一因となっている。また、熟柿やころ柿を原料としている加工品については加熱後に渋みが戻ることが柿ジャム・柿ゼリーといった新たな製品の開発を妨げることとなっている。一方、大船渡市では、かき(柿、花卉、牡蠣)をキーワードとした地域活性化が考えられており、「小枝柿」の製品内容の拡大は地域の重要な課題となっている(平成13年度試験研究要望課題)。よって、本研究では、脱渋技術及び渋戻り対策技術の開発に取り組む。到達目標:(1)生食用「小枝柿」における外観品質の優れた簡易で効率的な脱渋技術の開発(2)加工用「小枝柿」における加熱時渋戻り対策技術の開発年次別予定成果成果:(1)アルコール脱渋に比べて炭酸ガス脱渋の方が渋戻りが少ない。(福島県ハイテクプラザ会津若松技術支援センター、平成12年度)(2)水溶性ペクチンはカキタンニンと共存した場合、複合体を形成することによってタンニンの渋みを減少させる。(平智「渋ガキ果実の脱渋にかかわる新たな要因と脱渋特性に関する研究」1999)
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