課題名 | 消費者に好まれる果樹の減農薬生産方式・商品の開発 |
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研究機関名 |
山形県立園芸試験場 |
研究分担 |
環境研究部果樹研究部 |
研究期間 | 継H15~19 |
年度 | 2004 |
摘要 | 目的、計画: ・本県特産果樹であるおうとう・西洋なし等において、減農薬体系を確立するとともに、環境負荷の少ない栽培方式及び消費形態に合わせた果実生産により、消費者に好まれる安全安心な農産物の供給を図る。 期待される成果: ・雨よけ栽培おうとう・西洋なしの化学農薬散布回数削減技術の開発。 ・環境負荷の少ない新たなおうとうハウス生産方式の開発。 ・消費形態を考えたぶどうの新しい生産方式・出荷技術の開発。 得られた成果: (1)おうとう減農薬栽培技術の開発 (i)オウトウショウジョウバエ発生消長解明のための有効な誘引物はおうとう果実汁であった。また、オウトウショウジョウバエに対してペルメトリン水和剤の効果が低かった。(ii)カイガラムシへの高圧水を利用した防除法を開発した。(iii)施設栽培においてチリカブリダニを利用しナミハダニ防除を検討した結果、ダニ発生数が少なく殺ダニ剤散布が省略できた。(iv)施設栽培での最重要病害は褐色せん孔病であった。 (2)西洋なし減農薬栽培技術の開発 (i)交信かく乱剤を経年的に利用することで1ha程度の小面積で殺虫剤を30%削減しても収穫時の虫害被害を1.1%に抑えることが可能であった。(ii)西洋なしの輪紋病感受性は満開100日後頃まで高くその後急激に低下することから、9月上旬までの防除で果実腐敗が抑えられる可能性がある。(iii)ストロビルリン系殺菌剤は残効が長く基幹防除剤として有効である。 (3)環境負荷の少ない新たなハウスおうとう生産方式の開発 (i)細霧冷房システムを着色始期以降使用することで高温による着色阻害を軽減できた。(ii)細霧冷房の稼働により30℃程度の施設内温度を3℃低下できた。 (4)ぶどうの新しい生産方式・出荷技術 (i)枝梗出荷を目的とした花穂整形時期の適期は長く、開花始期からの処理でも十分であった。(ii)花穂整形と摘粒作業では慣行に較べ20%程度の作業時間短縮が可能で、着果量は慣行の1.2倍程度の生産が可能であった。(iii)せん定枝を利用した果房生産は、穂木を10日程度20℃恒温状態で維持しカルス形成を促進後育苗する。 成果の受け渡し先: ・普及指導資料 |
研究対象 | おうとう、西洋なし |
戦略 | 園芸 |
専門 | 病害・虫害 |
部門 | 果樹 |
カテゴリ | 病害虫 育苗 おうとう 害虫 栽培技術 施設栽培 出荷調整 西洋なし 農薬 ぶどう 防除 |