課題名 |
3 アユ冷水病研究 (2)アユ冷水病の診断及び保菌検査法の確立 |
研究機関名 |
群馬県水産試験場
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研究分担 |
水産環境グル-プ
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研究期間 |
継H13~16 |
年度 |
2004 |
摘要 |
目的:アユの冷水病は天然水域や養殖場において大きな被害をもたらし全国的な問題となっており、その検査方法は全国組織であるアユ冷水病対策研究会で作成した「アユ冷水病防疫に関す申し合わせ事項」に示されている診断及び保菌検査方法に基づいて行われている。しかし、この検査方法においていくつかの問題点が浮き彫りとなったため、早急に精度の高い診断及び保菌検査方法を開発する必要性が高まっている。計画:1)培養法の改善 各種薬剤をTYE培地に添加し、F. psychrophilumの22株等(標準株NCIMB1947Tを含む)の繁殖状況を確認した。 2)遺伝子検査法(PCR法)の開発 パルスフィールド・ゲル電気泳動法(PFGE)は院内感染や食中毒の感染源を確認する手段として活用されている。そこで、PFGEが冷水病原因菌であるF. psychrophilumに対しても活用できるか検討した。 3)感染病理学的解析 自然感染アユと実験感染アユを用いて組織切片を作製し、ヘマトキシリン・エオシン染色とギムザ染色を施して検鏡した。 得られた結果: 1)各種薬剤添加TYE培地のうち1種がF. psychrophilumにおける鑑別培地として有効であると考えられた。 2)遺伝子検査法(PCR法)の開発 県内分離41株、県外分離50株およびF. psychrophilumの標準株NCIMB1947TについてPFGEを行った。そして、供試92株うち82株から制限酵素切断パターンが得られ、42タイプに分類された。このため、PFGEがF. psychrophilumに対しても活用できると考えられた。3)感染病理学的解析病変は鰓上皮組織、皮膚と皮下脂肪組織、肝細胞、脳室上衣細胞と小神経細胞および筋肉組織で観察された。そして、鰓に顕著な壊死と水腫が認められており、アユの冷水病は鰓からの菌の侵入を考える余地が認められた。 残された問題点:冷水病の感染経路を解明するためには、病原菌の魚体への浸潤機構の解明が必要である。
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研究対象 |
アユ
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戦略 |
水産
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専門 |
水産環境
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部門 |
河川湖沼等
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カテゴリ |
繁殖性改善
薬剤
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