摘要 |
目的:麺類に各種成分を添加した例はこれまでにも多くあるが、ゆで時の成分の溶出は明らかにされておらず、こうした影響を踏まえたうえで、効率的な添加方法の検討が必要とされる。本研究では、機能性成分としてヤーコン葉に含まれ、血糖上昇抑制作用を有する3,5-ジカフェオイルキナ酸(3,5-DCQA)に注目した。3,5-DCQAはキク科の植物に多く含まれるポリフェノールの一種であり、α-グルコシダーゼを阻害することによる血糖上昇抑制効果を有することが報告されている1)。そこで、ヤーコン葉やこれを添加した麺中のポリフェノールの分析を行い、製麺方法を検討することとした。結果:県産の農林61号の小麦粉にヤーコン葉粉末を添加した麺を試作し、ゆで麺のグリセミックインデックスを測定したところ、血糖上昇を抑制する傾向が見られた。ヤーコン葉の総ポリフェノール量は収穫時期や部位により異なり、これに伴いラジカル消去能も変化した。ヤーコン葉の機能性成分の含有量の指標としては、測定が容易である総ポリフェノール含量が有用であると示唆された。さらに、農林61号への他の県産小麦粉のブレンドやシクロデキストリンの添加により、機能性成分の保持効果が向上する傾向が認められた。
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