鳥取ブランド園芸作物開発のための減農薬・減化学肥料栽培技術の確立

課題名 鳥取ブランド園芸作物開発のための減農薬・減化学肥料栽培技術の確立
研究機関名 鳥取県園芸試験場
研究分担 環境研野菜研
研究期間 継H15~18
年度 2004
摘要 低農薬栽培体系下において、発生増加が懸念されるクワゴマダラヒトリの発生状況を調査した結果、本害虫のほ場への侵入期間は1ケ月半の長期間におよび、主に日中に侵入、加害するものと推察された。また、産卵樹はアカメガシワ、カラスザンショウが中心で、産卵時期は9月上中旬頃、ふ化時期は9月中下旬頃と考えられた。また、防除薬剤としては、殺虫効果が高く、長い残効が期待できる薬剤はラービン水和剤75、ついでアグロスリン水和剤であった。ヒロヘリアオイラガに対する有機リン系殺虫剤、合成ピレスロイド系殺虫剤、BT剤、ピロール系殺虫剤、ネオニコチノイド系殺虫剤の殺虫効果について効果の高い剤を明らかにした。クワコナカイガラムシの防除はふ化時期の把握が重要となるため、有効積算温度を用いた三角法により本害虫のふ化ピーク日の予測が可能か検討した結果、有効積算温度を用いた三角法により、越冬世代ふ化ピーク日の予測および第1世代ふ化ピーク実測値から起算した第2世代ふ化ピーク日は予測が可能と考えられた。また、‘二十世紀’満開日と越冬世代ふ化ピーク実測値、予測値との間にも有意な相関があることから、各地域の‘二十世紀’満開日から越冬世代ふ化ピーク日の予測が可能と推察される。交信攪乱剤を利用した減農薬栽培技術を確立する。ここでは、特にハマキムシ類、シンクイムシ類の発生状況を調査の結果、殺虫剤無散布区でハマキムシ両種、ナシヒメシンクイの誘殺数が多い傾向であった。また、防除の影響が大きく、殺虫剤を無散布にすると被害が著しく増加する種は、ナシチビガ、ナシアブラムシ、ナシミドリオオアブラムシ、ナシコフキアブラムシ、ナシグンバイ、ニセナシサビダニであった。GN型黄色蛍光灯(商品名:GN型撃退くん)の果実吸蛾類に対する防除効果を明らかにし、黄色蛍光灯の設置方法を検討の結果、いずれの試験区においても果実吸蛾類による被害は少なく、GN型黄色蛍光灯単独でも果実吸蛾類の忌避効果があるものと推察された。今後、その効果が及ぶ範囲の解明および忌避効果の安定性を検証する必要がある。消費者の食物に対する安全・安心への意識の高まりから化学肥料が敬遠され、有機質肥料を使用した食物が好まれている。そこで有機質肥料のみを使用したナシ栽培を検討した結果、有機質の分解は天候に左右されやすく、果実肥大や糖度上昇に関わる時期に溶出をコントロールすることは困難であった。今後は施用量、施用時期の検討も必要である。県内の施設園芸は、周年化が進んだが、収量が不安定になってきており、施設園芸作物の生産性を維持する土壌管理技術を確立する必要がある。そこで、土壌管理技術確立のための基礎資料とするために現地ほ場の実態調査の結果、スイカの生育の良好なほ場は、有効土層が大きく、CECが高く、EC、無機態窒素含量、有効態燐酸含量及び塩基飽和度は低い傾向がみられた。しかし、生育の良好なほ場、萎凋発生ほ場とも、第1層、第2層の土壌改良を必要とするほ場割合が高く、とくに土壌養分のバランスが崩れており、今後肥培管理の中で改善していくことが必要である。スイカの生産性を維持するための土壌管理技術の確立を検討した結果、前作の肥料分の残った土壌で栽培したスイカは、果重が堆肥の施用により増加したが、化学肥料の施肥の有無で果重に差は認められなかった。また、スイカ後作に栽培されるホウレンソウの土壌管理技術を検討した結果、ホウレンソウの2作目は、スイカへの堆肥施用による残効はみとめられたが、スイカ及びホウレンソウへの施肥効果はみとめられなかった。本年は、スイカへの堆肥施用2年目であるので、継続検討が必要である。スイカのトンネル栽培において、慣行薬剤防除に比較して農薬の使用を5割以上削減した防除体系を実用化するため、障壁作物、在来天敵の温存、天敵放飼を利用した総合的な害虫防除体系を確立するため、ワタアブラムシに対する効果を調査した結果、畝間に麦類の障壁作物を植えることにより、農薬散布回数の削減の可能性が示唆された。しかし、より効果的な薬剤散布の時期、回数について検討する必要があると考えられた。スイカのトンネル栽培において、障壁作物、在来天敵の温存、天敵放飼を利用したアブラムシ類の在来天敵の発生状況について調査の結果、アブラムシ類の在来天敵は、テントウムシ類の発生がやや多かったが、その他の在来天敵の発生は全般に少なかった。ハダニ類に対する効果を調査の結果、チリカブリダニの放飼は、無処理に比べるとハダニ類の発生の抑制に効果があったが、慣行区に比べると効果が低かった。今後チリカブリダニを放飼する時期、放飼量、回数など、再検討する必要があると思われた。ミニトマトのブランド化を図るため、病害虫防除において、慣行薬剤防除に比較して化学農薬の使用を5割以上削減した総合防除体系を確立する。ここでは、紫外線除去フィルムの害虫に対する効果を検討の結果、紫外線カットフィルムと薬剤散布の組み合わせにおいて、特にハモグリバエ類の密度低減に効果を示した。なお、葉かび病に対する紫外線カットフィルムの効果は認められなかった。葉かび病につては、慣行より少ない薬剤散布回数で、発生を抑制させる可能性が示唆された。 イチゴの病害虫防除において、生物農薬タラロマイセスフラバス剤を利用した防除体系のイチゴうどんこ病に対する効果を検討の結果、生物農薬の利用は、化学合成殺菌剤の使用を慣行の概ね5割にしたにもかかわらず、イチゴのうどんこ病に対する防除効果が高かった。
研究対象 ナシ、ブドウ
戦略 園芸
専門 病害虫栽培生理
部門 果樹、野菜
カテゴリ 病害虫 肥料 土づくり うどんこ病 害虫 栽培技術 栽培体系 施設園芸 すいか 施肥 土壌改良 土壌管理技術 ニセナシサビダニ 農薬 肥培管理 病害虫防除 ふき ぶどう 防除 ほうれんそう ミニトマト 薬剤 わた

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