課題名 |
有用微生物等を利用したネギ、ラッキョウ、ナガイモの減農薬高品質、多収系統の育成 |
研究機関名 |
鳥取県園芸試験場
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研究分担 |
環境研
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研究期間 |
完H12~16 |
年度 |
2004 |
摘要 |
ラッキョウのウイルスフリー株の収量、品質の安定化のためにウイルスの干渉作用を利用した植物ワクチン(弱毒ウイルス)を開発する。本年度は、ニンニク潜在ウイルス(GLV)弱毒系統ニンニク分離株をラッキョウウイルスフリー優良系統に接種し、現地生産ほ場で3か年曝露栽培した後に、寒冷紗被覆栽培を6か年行ったものの収量が継続的に維持されるか検討の結果、極端に大玉化しない中~大玉の球で、高い収量を維持する系統(No.5など)が認められたため、優良系統として利用可能であると考えられた。また、GLV弱毒ウイルス株の候補として選抜されたGLV-G1株は弱毒ウイルス(植物ワクチン)として、自然界に存在する強毒株に高い防除効果(干渉作用)を示しているものと考えられた。今後、乾腐病に耐病性を示すなど優良な特性を示すラッキョウ系統が選抜された場合、GLV-G1を複数のウイルスの重複感染によって発生するラッキョウウイルス病の弱毒ウイルス(植物ワクチン)として利用可能であると判断された。ニンニク潜在ウイルス(GLV)の弱毒ウイルスとして利用可能と考えられたGLV-G1を優良系統のウイルスフリー個体に接種し、接種効率の確認等を行った結果から、優良ラッキョウ系統のウイルスフリー個体に対するGLV-G1の汁液接種は、接種効率が悪く、短期間に植物ワクチン処理した種球を増殖することは困難と考えられた。また、ラッキョウでは汁液接種による接種効率が悪いため、アブラムシ類による虫媒伝染およびGLV-G1感染ラッキョウ個体とウイルスフリー個体との混植による接触伝染について検討する必要があると考えられた。ラッキョウ乾腐病の防除技術として、種球を早期掘り上げ後に冷蔵保存すると効果のあることが明らかとなってきた。そこで、掘り上げから冷蔵保存までのラッキョウの風乾状態が、乾腐病菌にどのような影響を与えるのかを検討した結果、冷蔵保存は、乾腐病防除の有効な手段であった。掘り上げ後に小屋などの室温に種球を置くと、乾腐病菌の感染率が高くなるため、種球を掘り上げ後は直ちに冷蔵保存する必要があった。また、冷蔵施設から出庫後は、直ちに種球消毒および定植する必要があった。ラッキョウ乾腐病の安価で効果の高い新規薬剤の効果について検討の結果、テクリード水和剤50倍の種球浸漬処理は、ベンレートT水和剤の代替薬剤として実用性が高いと考えられた。また、種球圃場の肥培管理について、石灰の施用はラッキョウ乾腐病の発病を抑制する傾向が示唆されているので、苦土石灰の施用量と乾腐病発病抑制の関係を調査の結果、乾腐病発病抑制効果は認められなかった。ネギの萎凋病は連作圃場で多発するため、微生物資材の育苗培土処理および植溝処理による発病抑制効果を検討の結果、2年連続して消失株の割合が低く、増収効果の認められた京いちもんめの播種時5%と定植時300~500kg/10a処理、グリオスター播種時2.5%処理、デカソイル播種時1%処理が萎凋病に対して有効と考えられた。特に、処理法が簡便であるグリオスター2.5%、デカソイル1%の育苗培土施用処理の実用性があると考えられた。
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研究対象 |
ラッキョウ、ネギ
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戦略 |
園芸
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専門 |
病害
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部門 |
野菜
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カテゴリ |
病害虫
育苗
くり
栽培技術
にんにく
ねぎ
農薬
播種
肥培管理
防除
薬剤
らっきょう
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