摘要 |
目的:小豆ポリフェノールの有する生理調節機能について明らかにし、小豆の需要拡大に寄与する。計画:(i)抗酸化活性の変動要因の解析と遺伝資源の評価 (ii)抗酸化成分の遺伝的変異と生理機能の解明 (iii)疾患モデル動物を用いた生理調節機能の探索 (iv)人体における生理調節機能の効果確認試験成果:(i)製アン過程における小豆ポリフェノール(PP)含量の推移について調査したところ、渋切り水および煮汁中に原料豆の約84%、生アン中に約13%、アンかす中には約3%の小豆PPが含まれていた。(ii)健常マウスにおいてデンプン、スクロース、マルトース投与時には、小豆PP投与群はコントロール群と比較して有意な血糖値上昇抑制効果が認められたが、グルコース投与時には認められなかった。(iii)高血圧症状を示す高血圧自然発症モデルラットに小豆PPを投与したところ降圧効果が認められ、投与8週間後にはコントロール群と比較して有意に低下していた。(iv)人体における小豆PPの生理調節機能効果確認試験では、血清中性脂肪の高い5例において値が低下する傾向が見られ、またその値は飲用終了後直ちに戻ることはなく、さらに低下し続けた。
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