課題名 | 特産野菜高付加価値加工技術の開発-漬物製造における硝酸イオン濃度の低減化 |
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研究機関名 |
秋田県総合食品研究所 |
研究分担 |
応用発酵 |
研究期間 | 完H15~17 |
年度 | 2005 |
摘要 | (目的)安心・安全な食品への消費者の関心は年々高まっており、野菜についても例外ではない。野菜由来の硝酸イオンが直接、健康に悪影響を与えるかどうかについては解明されていないが、ヒトの体内で硝酸イオンが亜硝酸イオンに還元されると、健康に害を及ぼす可能性があると言われている。硝酸イオンに対する不安から、低硝酸野菜への消費者のニーズが高まっていることを受け、農林水産省では、先端技術を活用した農林水産研究高度化事業「野菜における硝酸塩蓄積機構の解明と低減化技術の開発」(2002-2004年度)という事業を行ったが、本研究所も課題を分担した。事業終了後、継続して研究を行い、さまざまな漬物における硝酸イオン濃度低減の条件について検討した。(成果)1) ダイコン、カブ、ハクサイは、硝酸イオン濃度が高く、ナス、キュウリは、低かった。2) キュウリ塩漬では、40%の差し水で2回漬け込むことにより、硝酸イオン濃度を約50%減少させることができた。また、ナス塩漬も本漬込条件で半分以下に低減できることがわかった。ダイコン塩漬、カブ塩漬、ハクサイ塩漬では、差し水を増やして漬込回数を増やしても、硝酸イオン濃度は減少しないことがわかった。これは、野菜の水分だけが漬液に移行し、硝酸イオンは移行しにくいためであると考えられる。ダイコン、カブ、ハクサイは、野菜組織が壊れにくく、細胞内の硝酸イオンが分離しにくい構造になっているためではないかと推察された。3) ハクサイは、外葉ほど硝酸イオン濃度が高く、内側になるほど低くなっていることがわかった。よって、外葉を何枚か捨てれば、硝酸イオン濃度を低下させることができると考えられる。4) ダイコンについては、根の先端に近くなるほど、硝酸イオン濃度が高くなっているが、皮では、特に高くはなかった。根の先端は、残りの部位と比べて、硝酸イオン濃度が約2.5倍高かったので、根の先端を切り落とすことで、硝酸イオン濃度を低下させることができると考えられる。5) ダイコン漬について、それぞれ食塩濃度とショ糖濃度を変化させて、硝酸イオン濃度の変化を調べたが、食塩濃度とショ糖濃度を高くしても、漬液の硝酸イオン濃度は増加しなかった。また、1日以上漬けても、漬液中の硝酸イオン濃度は、1日目とほとんど変わらなかった。 |
専門 | 食品加工流通 |
部門 | 共通 |
カテゴリ | 加工 かぶ きゅうり 高付加価値 だいこん なす はくさい |