| 課題名 |
3 アユ冷水病研究 (1)環境調和型アユ増殖手法開発事業 |
| 研究機関名 |
群馬県水産試験場
|
| 研究分担 |
水産環境グル-プ
|
| 研究期間 |
継H17~19 |
| 年度 |
2005 |
| 摘要 |
○目的:アユの漁獲量は近年激減し、その原因としては「冷水病の発生」・「カワウによる食害」・「河川環境の悪化」などが挙げられている。そこで、海産系種苗は人工種苗より冷水病に対する感受性が低い可能性が示唆されていることから、冷水病対策の一環として、海産系種苗と人工種苗の放流効果について検討する。○計画:供試魚は群馬水試人工種苗(継代35代)と神奈川系種苗(神奈川県産:継代28代)を用いた。放流場所は利根川支流である烏川上流域の区間(約3km)とし、放流魚は放流区間に分散して放流した。供試魚は4月19日に各10,000尾ずつ放流し、平均体重は群馬水試人工種苗(以下「群馬系1次」という)が6.9g、神奈川系種苗(以下「神奈川系」という)が6.2gであった。なお、群馬水試人工種苗は6月16日(解禁後)に11,000尾を2次放流し、平均体重は10.7gであった(以下「群馬系2次」という)。なお、標識は群馬系1次がアブラビレと右腹鰭、神奈川系がアブラビレと左腹鰭、群馬系2次がアブラビレのみを切除した。供試魚は解禁前および漁期終盤は投網で、解禁日(6月4日)からは友釣りで採捕した。また、漁協組合員が漁期期間中に友釣りを複数回行い、水産試験場で作成した記録用日誌に釣獲状況を記入した。採捕した供試魚およびアユ以外の常在魚はPCR法および培養法で保菌検査を行った。魚籠調査は6月4日(解禁日)に調査区間上流部(距離約20m)・調査区間内および調査区間下流部(距離約30m)で行った。 ○得られた結果:群馬系1次は解禁日から解禁約2週間後まで神奈川系よりも高率で釣獲され、CPUE(尾/時間/人)は3.5から1.0以下に推移した。さらに、放流魚の生残率が70%と推定した場合、放流尾数に対する再捕率は、群馬系1次が56.6%、神奈川系が29.1%と算出された。今回の調査から、一般的に言われている「群馬系は追いがよく、釣られやすい」が確認された。2次放流は解禁約2週間後に行われたが、放流直後から釣獲され、放流2週間後にはCPUEが4.3と高い値となり、漁期延長の効果はほとんど見られなかった。このため、群馬系種苗による漁期延長を試みる場合には、群馬系の特徴から複数回放流を行うことが最善と考えられる。神奈川系は一般に漁期後半に釣獲されると言われている。しかし、今回の試験では解禁当初より比較的釣獲され(CPUE 1.7)、漁期後半においても群馬系のCPUEとほとんどかわらなかった。このため、神奈川系の特徴については、今後も調査が必要と考えられる。群馬系1次(73尾)および神奈川系(39尾)は冷水病原因菌が検出されなかったが、群馬系2次は30尾のうち2尾から冷水病原因菌が検出され、PCR-RFLP解析によりA-S型であった。また、冷水病原因菌はウグイ・カジカおよびヤマメの常在魚から検出されなかった。冷水病原因菌は採捕された供試魚のうち群馬系2次に確認されたが、河川における病魚や死亡魚は確認されず、群馬系および神奈川系の比較は行えなかった。○残された問題点:漁期中盤以降のアユ漁獲を維持するためには、効果的な2次放流を検討する必要がある。
|
| 研究対象 |
アユ
|
| 専門 |
水産増養殖
|
| 部門 |
河川湖沼等
|
| カテゴリ |
|