有機JAS規格を目指した水稲栽培技術の確立研究  2 化学合成資材を用いない除草体系の確立

課題名 有機JAS規格を目指した水稲栽培技術の確立研究  2 化学合成資材を用いない除草体系の確立
研究機関名 石川県農業総合研究センター
研究分担 作物栽培G
研究期間 完H16~17
年度 2005
摘要 目的:移植後の米ぬか施用による除草に機械除草、微生物除草剤を組合せ、除草効果を検討すると共に、移植後の米ぬか散布による除草効果を明らかにするため、田面水及び土壌表面の変化を明らかにする。また、床土に有機肥料を用いた育苗が、床土や種子消毒法、育苗方法の違いにより苗質に及ぼす影響を検討した。
得られた成果:(i)米ぬかの施用により、土壌Ehと田面水溶存酸素量の低下が認められた。さらにその後の湛水管理の効果で、7月中旬まで実用上十分な除草効果があった。その後残った雑草や後発生した雑草が生育した。機械除草は、初期に発生したコナギやホタルイ、ヒエに効果が大きかったが、発生の遅いコナギの防除効果は劣った。(ii)土壌の酸化還元電位は、所内圃場では米ぬか散布翌日から低下し始め、対照区以下であった。現地B圃場では大きな変化が見られず、現地A圃場では僅かに減少した。所内と現地の違いは、米ぬか散布量や土質、水持ちの違いによるものと考えられた。(iii)田面水の溶存酸素は、いずれの圃場においても米ぬか散布翌日から低下し、対照区や用水に比べ常に低くなった。米ぬか追肥は、無施用区や基肥時に米ぬかを施用した区に比べ土壌の酸化還元電位や田面水中の溶存酸素濃度の低下をもたらした。(iv)米ぬかの抑草効果は、散布後の湛水状態が維持された農研圃場で高く、機械除草との組合せにより7月中旬まで実用上十分な効果があった。現地A圃場は、代かきから米ぬか散布までの日数が長く、また、有機栽培の作付け期間が長い圃場ほど雑草(特に、コナギ)が多発した(達観調査)。(v)有機肥料を用いた床土に出芽や発根抑制は認められなかった。かびの発生は、加温出芽後に床土の肥料とその周辺でわずかに見られたが、平置き育苗においても、育苗期間中に発生が広がることはなかった。(vi)床土のアンモニア態窒素含量は、化学肥料区では初期に高く、その後急激に低下したが、有機肥料平置区では初期の含量は低いが播種18日後頃から化学肥料区との差は無くなり、その後の低下はなかった。有機肥料プール育苗区は低めに推移した。このことから、有機肥料区では育苗前半のN吸収は低めに推移するが、後半に肥料切れとなることはないと考えられた。(vii)有機肥料区は育苗初期の葉色がやや淡く経過し、その後化学肥料区並~やや濃く経過した。床土の粒度は粗い方が苗質は安定していた。(viii)微生物種子病害防除剤の菌叢は、平置き育苗で明確に認められ、粒度の粗い床土では箱全面に見られるが、細かい床土では菌叢の発達が箱周辺部に偏り、その部分の苗の生育がやや劣る傾向にあった。
研究対象 水稲
専門 栽培生理
部門 水稲
カテゴリ 有機栽培 土づくり 肥料 病害虫 育苗 栽培技術 雑草 種子消毒 除草 除草剤 水稲 播種 ひえ 防除 水管理

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