4 森林の保全(1) 昆虫による森林被害実態の把握と環境にやさしい防除法の開発

課題名 4 森林の保全(1) 昆虫による森林被害実態の把握と環境にやさしい防除法の開発
研究機関名 京都府林業試験場
研究分担 林業試験場
研究期間 継H16~18
年度 2005
摘要 ○目的:昆虫を指標とした森林の健全性及び生物多様性を評価する手法を確立し、森林の機能発揮を実現するための管理手法に資する。また、ナラ類集団枯損について実用的な防除法を確立する。○方法:伐倒駆除によって毎年の枯死本数が20本程度に抑えられている被害林分で実施した。捕獲には,ファネルトラップの捕虫部にカップを取り付けて捕獲虫を生け捕りできるように改造したトラップを用いた。被害地内で直径4mと8mの同心円を2カ所に描き,中心(2カ所),中心から東西南北に2m位置(8カ所)と4m位置(8カ所),16m離れた2つの中心を結ぶ線上の中点(1カ所)とその両側2m位置(2カ所)の合計21カ所にトラップを設置した。同心円の中心に設置した2器のトラップに合成フェロモンを取り付け,1週間ごとに合成フェロモンの交換と,全トラップのカップ回収を行い,甲虫は全てを同定し,甲虫以外は目ごとに分類した。なお,合成フェロモンは,カシナガの集合フェロモンの合成化合物の原液0.02mlを含浸させた直径1cmの硬質粘土製ボールを,ゴム製ネットに入れたものを用いた。○得られた成果:昆虫の総捕獲数は6,041頭で,甲虫は70科490種4,574頭,カシナガは282頭(雄164頭)が捕獲された。合成フェロモンに誘引される種は,11回の回収のうち6回以上が「誘引」と判定されたのはカシナガだけで,6回以上が「忌避」と判定されたのはシイノホソキクイムシなど6種であった。また,合成フェロモンを設置したトラップから2m以内の10器と4~6m離した10器の捕獲数を比較した結果,前者10器での捕獲数が有意(Fisher検定,P<0.01)に多かったのもカシナガだけであった。このように,カシナガだけが合成フェロモンを取り付けたトラップ付近で捕獲数が多く,合成フェロモンを用いた捕獲は,天敵類を含めたその他の昆虫に与える影響は少ないと考えられる。ただし,他府県での同様の捕獲試験では,セマダラコガネの捕獲数が多く,この種については検討を要する。
戦略 森林・林業・木材産業
専門 森林生物
カテゴリ フェロモン 防除

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