課題名 | 鳥取ブランド園芸作物開発のための減農薬・減化学肥料栽培の確立 |
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研究機関名 |
鳥取県園芸試験場 |
研究分担 |
果樹 環境 |
研究期間 | 完H15~17 |
年度 | 2005 |
摘要 | (1)フェロモントラップによる主要害虫の発生消長:殺虫剤削減によるマイナー害虫の発生相及び発生状況を調査し、交信攪乱剤を利用した減農薬栽培技術を確立する。 (i)鞘翅目害虫のコガネムシ類は、殺虫剤無散布区で発生が多い傾向であった。カシルリチョッキリは発生が少なかった。 (ii)直翅目害虫のアオマツムシは、9月中旬から調査終了まで被害が増加した。 (iii)ダニ目害虫では、カンザワハダニ、クワオオハダニの発生が認められた。クワオオハダニは殺虫剤削減区で10月以降密度が増加した。 (iv)ニセナシサビダニは、特に殺虫剤無散布区では被害が著しく、新梢先端葉が早期落葉した。 (v)越冬期の調査では、殺虫剤無散布区ナシホソガの被害がみられた。また、アオマツムシの産卵傷による被害新梢率は、殺虫剤削減区で59.5%、殺虫剤無散布区で43.0%となった。 (vi)アオマツムシのふ化消長を調査した。その結果、ふ化初日は5月30日、ふ化最盛日は6月10日、ふ化終息日は6月28日であった。また、産卵枝片あたりふ化虫数は平均19.4頭で、最大41頭であった。 (vii)以上の結果、殺虫剤を無散布にすると被害葉が著しく増加する種は、ニセナシサビダニで昨年と同様の傾向であった。 (2)黄色蛍光灯による果実吸蛾類の防除効果:GN型撃退くんの果実吸蛾類に対する防除効果を明らかにし、黄色蛍光灯の設置方法を検討するとともに設置費削減を目的とする。 (i)果実被害は8月上旬以降に認められ、中旬が被害ピークとなった。 (ii)幸水では、8月11、19日の調査でGN型撃退くん単独区の被害が多い傾向であった。 (iii)豊水では、試験区間の被害差はほとんどなかった。 (iv)果実被害は、外周部に多い傾向であった。 (v)同様な試験を、15号ほ場(‘新興’、‘愛宕’、‘王秋’など混植園)でも実施したが、本年はナシヒメシンクイによる果実被害が多く、ヤガ類に対する黄色蛍光灯の忌避効果の解析は困難であった。 (vi)以上の結果、GN型黄色蛍光灯の単独設置でも被害軽減効果は認められること、周囲に環形黄色蛍光灯を設置することにより、その忌避効果は安定するものと考えられた。なお、GN型黄色蛍光灯を中心に半径20mを超えた地点で被害が多くなったことから、棚栽培のナシ園に1灯を単独設置した場合、その被害軽減効果を及ぼす有効面積は、10a程度と考えられた。また、黄色蛍光灯の副次的な効果として、ナシヒメシンクイの被害軽減は期待できないものと考えられた。 |
研究対象 | ナシ |
専門 | 病虫害栽培生理 |
部門 | 果樹、野菜 |
カテゴリ | 肥料 病害虫 害虫 栽培技術 ニセナシサビダニ 農薬 フェロモン 防除 |