環境に配慮した小規模移動放牧における繁殖和牛の飼養管理技術

課題名 環境に配慮した小規模移動放牧における繁殖和牛の飼養管理技術
研究機関名 広島県立畜産技術センター
研究分担 環境資源部
飼養技術部
研究期間 新H18~21
年度 2005
摘要 (1)背景・目的:近畿中国四国地域では,一部の平野部を除くと農業生産基盤は大半が中山間地である。その中山間地では過疎化や高齢化によって耕作放棄地率が全国平均の2倍の10%近くに達している。一方,古くは山口県,広島県の山間部は黒毛和種の主産地とされ,黒毛和種の繁殖子取り経営が盛んであった。そこで,点在する20~50a程度の比較的狭い耕作放棄地,荒廃地,保全管理農地を造成し,牧草を播種し,電気牧柵で囲み2~4頭の繁殖和牛を短期間放牧して,草がなくなった時点で転牧していく方式,いわゆる「小規模移動放牧」が官民一体となって推進されている。最近では公立畜産研究機関をはじめ,繁殖和牛経営農家も省力化,飼料やふん尿処理のコスト低減によるゆとりと農業所得向上を目指し,移動放牧を積極的に活用しており,公的機関などから放牧経験牛を貸し出す動きもでてきている。本課題では,適正放牧頭数,暑熱期の放牧牛への影響等これまで経験則に基づく繁殖和牛の放牧条件を再検討し,移動放牧の家畜側の適用条件を科学的,客観的に確認,検証する。また,地目,植生,放牧期別の草質や草量,養分摂取量や牧養力を明らかにして,脱柵しない安全な放牧条件下での繁殖和牛の栄養管理法を確立し,ふん尿排泄に伴う環境への影響因子の調査を集積する。特に,従来の移動放牧の研究では,電気牧柵を用いた転牧技術,牛の簡易追い込み柵などについて研究されたが,地目(水田,畑地,果樹園跡地など),植生で分類された耕作放棄地での放牧における栄養管理技術の研究及びふん尿排泄による環境への影響については,研究,調査がなされておらず,本研究において,初めてこの領域に踏み込むものである。また,数値化されてこなかった経験則を客観的に評価し,技術をより確実にすることは新たな試みである。(2)期待される成果:本研究の成果により,耕作放棄地の増加に歯止めがかかるばかりでなく,耕作放棄地での放牧の生産性がより向上し,また周辺環境の水質汚染の不安を解消し地域住民に受け入れられる放牧経営の実現が期待される。(3)全体計画 ア 繁殖和牛の移動放牧における栄養管理技術の確立 a 移動放牧地の野草植生の動態の解明 b 地目,植生,放牧期別の養分摂取量と牧養力の解明 イ 繁殖和牛の移動放牧における排せつふん尿の周辺環境への影響 a 排せつふん尿による周辺河川への水質への影響  ウ 繁殖和牛の移動放牧における家畜管理条件の解明 a 脱柵防止のための管理条件 b 暑熱期のひ陰の利用と行動に及ぼす効果 エ  指導普及向けマニュアルの作成
研究対象 肉用牛
専門 飼養管理
部門 ウシ
カテゴリ 管理技術 経営管理 飼育技術 省力化 水田 中山間地域 低コスト 肉牛 播種 繁殖性改善

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