摘要 |
目的:飼育から出荷・解体・肉販売まで行なっている2ヶ所の飼育場(阿寒、根室)において飼養管理の実態を調査するとともに、シカに関する各種データを収集し、一時飼育のための技術指針を作成する。成績の概要:(1)飼養管理に関する基礎調査 両飼育場において濃厚飼料として市販の圧ぺん大麦、圧ぺんメイズ、ビートパルプ等を給与していた。粗飼料は乾草の他、亭水分ラップサイレージも給与していた。1頭当たりの飼料給与量(乾物)は、阿寒飼育場で平均1.16kgであり、根室飼育場で1.07kgであった。阿寒飼育場において飼育期間中の増体量は雄シカが25.6kgであり、雌シカが13.4kgであった。(2)衛生管理に関する基礎調査 阿寒飼育場ではタイレリア病陽性率が100%であったが、根室飼育場では認められなかった。また、両飼育場において消化管内線虫、コクシジウム、肝蛭などの内部寄生虫が検出された。阿寒飼育場ではコクシジウムの寄生率が高く、根室飼育場では線虫の寄生率が高かった。(3)肉量・肉質に関する調査 雌シカの出荷体重と枝肉重量はそれぞれ69.3kgおよび38.3kgであり、ヒレおよびロースの重量はそれぞれ375gおよび2269gであった。
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