発生予察技術支援対策事業

課題名 発生予察技術支援対策事業
研究機関名 宮城県古川農業試験場
研究分担 作物保護部
研究期間 継S54~
年度 2006
摘要 目的:同一農薬の多数回散布、耐性の生じやすい薬剤の連続使用により、耐性菌が出現した場合、薬剤散布による防除効果が低下する恐れがある。耐性菌による被害を防ぐために感受性の低下を把握し代替薬剤の選択などの対策を講ずる必要がある。害虫についても、同一農薬の多数回散布により抵抗性が出現することがあり、防除効果が低下する恐れがあるので、薬剤の感受性について把握する。ササニシキBLはいもち病真性抵抗性の遺伝子のみササニシキと異なっているIL系統を混合して栽培されている。この品種に罹病するレースの存在の調査を行うことで安定したササニシキBLの栽培が可能になる。また、この結果より適切なIL系統種子混合割合を決定できる。斑点米カメムシ類のIPM技術の実証と普及を図るために,トラップを利用した簡易なモニタリング手法を検証するとともに、繁殖源(牧草地)の発生密度を抑制する管理技術について研究を行う。平成17、18年度と水稲においてばか苗病の多発が続き、温湯浸漬の永続的な利用のために原因の解明と対策の確立が必要である。成果:(i)イネいもち病菌のMBI-D剤に対する耐性菌検定を行ったところ、28地点中8地点で耐性菌が確認され、発生地点率は29%であった。ムギ類赤かび病菌およびダイズ紫斑病菌のチオファネートメチル耐性菌の薬剤耐性菌については確認されなかった。レース検定についてはササニシキBL栽培ほ場から穂首いもち、枝梗いもち由来のいもち病菌24菌株を分離し、検定したところレース007と037.1がそれぞれ70.8%,29.2%の割合で分離された。(ii)斑点米カメムシ類のIPM技術実証については、アカスジカスミカメ幼虫の発生最盛期に広域的に水田周辺の繁殖地の草刈管理をすることにより、被害を軽減することができると考えられた。また、水田内のイヌホタルイの発生はアカスジカスミカメ第1世代成虫の水田侵入と水田内における次世代の増殖を誘発し、斑点米の発生を増加させる要因となることが考えられた。(iii)ばか苗病の多発ほ場から飛散した胞子が特に大きく影響を及ぼす範囲は0~100mの間であると推定され、多発ほ場からの影響が大きいのは隣接ほ場程度であるとみられた。
カテゴリ 病害虫 アカスジカスミカメ いもち病 害虫 管理技術 水田 耐性菌 抵抗性 農薬 繁殖性改善 斑点米 斑点米カメムシ 品種 防除 モニタリング 薬剤 予察技術

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