課題名 | 有機農産物生産技術の確立(ふくしま型有機栽培技術開発事業) |
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研究機関名 |
福島県農業総合センター |
研究分担 |
生産環境部 作物園芸部 企画経営部 会津地域研究所 浜地域研究所 |
研究期間 | 継H17~20 |
年度 | 2006 |
摘要 | 目的:水稲および野菜の有機農作物等の生産技術を新たに確立し、「ふくしま型有機農産物」の生振興を図る。結果:(i)地域未利用資源の屑大豆とソバフスマを利用したぼかし肥料作りでは、ソバフスマと米糠を1:1で混合したものは肥効が劣り、ソバフスマまたは屑大豆に米糠と菜種油粕を混合したものの肥効は高かった。また、これらの自作ぼかし肥料を用いた有機育苗が可能であることが示唆された。(ii)パイプハウスにおけるキュウリとトマトに菜種油粕原料の有機液肥を使用し、その肥効が市販のものと遜色ないことが確認された。(iii)水稲の有機栽培において菜種油粕混合による育苗を行う場合、カビの菌糸による固まりを破砕する必要があること、播種直前に土入れする必要があることを明らかにした。(iv)レンゲの生育量とそれを鋤込んだ場合の窒素無機化量には密接な正の相関があり、レンゲ地上部乾物重200g/m2(生重1,000g/m2)で窒素施肥0.6kg/aに相当することを認めた。相馬、郡山、会津坂下におけるほ場埋設試験から、この結果は県内全域の平坦地水田に適用可能と考えられる。(v)いもち病に対しては、特定農薬の食酢、重曹の効果は認められない。散粉ボルドーの効果は認められたが、化学合成農薬よりは効果が劣る。(vi)水稲の密植によりコナギの生育が抑制される。有機物表面散布による抑草効果は、菜種油粕>屑大豆>米糠であった。(vii)冬期湛水は、ヒエ、ホタルイ、アゼナ、コナギ等の一年生雑草に対する抑草効果はあるものの、特に水稲の繁茂量の少ない部分でのクログワイの発生を増加させる。(viii)市販の送風機等を利用した株間局所送風により、トマトの灰色かび病と葉かび病の発病が抑制された。(ix)有機栽培におけるトマトの受粉に電動ブロアを利用し、受粉効果は振動受粉並み、労力は振動受粉より大幅に軽減されることを明らかにした。(x)防虫ネット被覆による夏秋キュウリの有機栽培において、バンカー法による持込アブラムシ対策は、アブラムシの増殖を遅らす可能性はあるものの、その効果は不十分であった。褐斑病に抵抗性を有する品種はあるものの、収量性を考慮すると金星114号が望ましいと判断された。(xi)キュウリ有機栽培において現地の優良事例を調査した結果、耐病性品種の利用や病害虫発生のリスクを回避する作型分散が有効であると思われた。農薬を使用しないことから、土着天敵の発生が多く、害虫の発生を抑制しているものと考えられた。 |
カテゴリ | 有機農産物 病害虫 肥料 有機栽培 育苗 いもち病 害虫 きゅうり 栽培技術 雑草 受粉 水田 水稲 施肥 そば 大豆 耐病性品種 抵抗性 特定農薬 土着天敵 トマト 農薬 播種 ひえ 品種 未利用資源 れんげ |