水稲栽培における籾がらケイ酸の有効利用技術の確立

課題名 水稲栽培における籾がらケイ酸の有効利用技術の確立
研究機関名 島根県農業技術センター
研究分担 土壌環境G
研究期間 止H17~18
年度 2006
摘要 目的:ケイ酸は水稲の高品質安定栽培に欠かせない要素である。しかし、ケイ酸質肥料の施用量の減少等により、県内の水田土壌のケイ酸含量は低下傾向にある。ケイ酸を含む肥料は重く散布労力が大きいことや、価格が高いことなどが施用の妨げとなっている。これに対し、約20%のケイ酸を含有する籾がらは軽量であり肥料としての利用が期待されるが、大部分が畜舎の敷料や暗渠、堆肥の材料として利用されているのが現状である。また、籾がらは天然資材であり有機JAS認証の妨げとならないため、特に有機栽培等の特別栽培米の生産への利用が期待できる。そこで、籾がらに含まれるケイ酸の有効性について多面的に検討し水稲への施用技術を確立する。成果:1) 籾がらのケイ酸含有率は約20%であるが、灰化(500℃、2時間)すると約90%に向上した。2) 籾がら灰を施用して栽培した水稲のケイ酸利用率は、10a当たり150kgの施用で6.9%、同じく200kgの施用で3.8%であり、施用量にかかわらず吸収率は低かった。3) 籾がら灰にゼオライトを加えて造粒加工し散布時の風による飛散を防いでも、水稲のケイ酸吸収量は向上せず、生育や米粒品質に対する効果は小さかった。4) 籾がらの形態と水稲のケイ酸吸収との関係をみると、籾がらをそのまま施用した場合の吸収率が44.1%であったのに対し、籾がら灰及び粒状籾がら灰ではそれぞれ2.4%と1.6%であり低かった。5) 籾がら灰を育苗培土に混合施用すると、施用量が多いほど水稲苗の草丈が高く乾物重も増加したが、苗の基部が黄化するアルカリ障害とみられる症状が認められた。また、ケイ酸含有率の上昇はわずかであり、同量のケイ酸を含む「けい酸加里肥料」に比べると効果が低かった。
カテゴリ 有機栽培 肥料 育苗 加工 水田 水稲 施用技術

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