環境に配慮した小規模移動放牧における繁殖和牛の飼養管理技術

課題名 環境に配慮した小規模移動放牧における繁殖和牛の飼養管理技術
研究機関名 広島県立総合技術研究所畜産技術センター
研究分担 飼養技術部
研究期間 継H18~21
年度 2006
摘要 目的:中国地方の中山間地域では,耕作放棄地対策の一環として,繁殖和牛の小規模移動放牧が急速に拡大してきている。一方,耕作放棄地の牧養力は,地目,植生,放牧期等によって異なると考えられるが,様々な条件下での牧養力については明らかとなっていない。そこで,本研究では県内4ヶ所の放牧地を選定し,地目,植生,放牧期別での牛の養分摂取量,牧養力,放牧日数の指針を作成する。また,排せつふん尿が環境に与える影響についてデータを集積し,周辺住民の環境悪化への懸念を解消するための情報として提示する。これまでの成果:(ア)地目,植生,放牧期別の養分摂取量と牧養力の解明:a 三次市:1回目の入牧時の植生はイタリアン,エゾノギシギシが優先し群落高が95cm,現存量(乾物)が344kg/10aであった。5/31~6/26と8/3~8/21は成牛を延べ54及び38頭放牧した。9/20~10/23の牧養力は24.1CD/10aであった。退牧時の現存量は6/26が59kg/10a,8/21が45kg/10a,10/23が10kg/10a未満であった。退牧時の体重は入牧時に比べ109%であった。b 神石高原町:入牧時の植生はススキ,ネザサ,ヌルデが優先し,群落高が140cm,現存量が594kg/10aであった。放牧期間は6/15~9/4で延放牧頭数は成牛が243頭,育成牛が82頭であった。退牧時の現存量は10kg/10a未満であった。c 東広島市:1回目の入牧時の植生はチガヤ、ススキが優先し,群落高が135cm、現存量が268kg/10aであった。牧養力は7/31~8/18が23.72CD/10a,10/16~10/23が10.41CD/10aであった。退牧時の現存量は8/18が41kg/10a,10/23が13kg/10aであった。退牧時の体重は入牧時に比べ8/18が102%,10/23が96%であった。d 安芸高田市:入牧時の植生はススキ,ヨモギが優先し,群落高が130cm,現存量が686kg/10aであった。放牧期間は9/1~9/29で,牧養力は10.12CD/10aであった。退牧時の体重は入牧時の102%であった。退牧時の現存量は453kg/10aであった。(イ)繁殖和牛の移動放牧における排せつふん尿の周辺環境への影響:平成18年度から新たに放牧を開始する放牧予定地のうち,植生調査を行う県内3箇所の放牧地周辺の水質調査を実施したところ,pH,BOD,大腸菌群数及びT-Nなどの項目において,全て水質汚濁防止法による排水基準の規制基準値以内であった。
カテゴリ 飼育技術 中山間地域 繁殖性改善 よもぎ

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる
S