課題名 |
乾燥割れを有するスギ心持ち構造材の評価 |
研究機関名 |
鹿児島県工業技術センター
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研究分担 |
木材工業部
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研究期間 |
完H17~18 |
年度 |
2006 |
摘要 |
[目的]人工乾燥により生じた割れがスギ心持ち構造材の強度性能に及ぼす影響を明らかにし,併せて割れに対する需要者の意識調査を実施する。これらの結果から乾燥材の割れに対する評価基準を作成し,かごしま材の品質の確保を図り需要拡大に資する。[研究内容]乾燥割れが材料強度及び接合強度に与える影響が明確でないことや,外観の目視による推測か切断以外に内部割れの発生量を確認する手法がないため,割れの発生頻度と強度との関係について解明し,内部割れの発生量,分布状況を解析し発生量確認の手法について検討する。また,研究成果を的確に反映させるため,需要者側が割れに対し現在許容している範囲について調査する。[期待される効果]工務店や施主などの需要者に,乾燥割れに対する明確な説明ができ,信頼性の向上につながる。また,評価基準に基づく材が流通することにより,かごしま材の品質が確保され,市場評価が向上し需要拡大につながる。[得られた効果]条件を調整した乾燥材の曲げ試験を行った結果,材に発生している内部割れの面積と曲げ強さとの間に一定の傾向はみられなかった。材長方向における内部割れの分布状況について調べた結果,木口からの距離による内部割れの発生分布に一定の傾向はみられなかった。また,需要者に対し割れに対する意識調査を行い,工務店等が許容可能な割れの程度について把握できた。ボルトによるせん断試験により得られた長期許容せん断耐力は,基準値は満たしていたものの,内部割れの発生が多くなると耐力が低下する傾向がみられた。また,発生位置によって耐力の低下が懸念されるものもあった。引張試験(梁-梁)では内部割れ面積と最大荷重との間に関係はみられなかったが,最大荷重に達したあと急激な耐力の低下を起こす破壊形態がみられ,この破壊形態に内部割れ発生が影響していることがわかった。
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カテゴリ |
乾燥
シカ
需要拡大
評価基準
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