課題名 | 施設栽培における漁業系有機性資源の有効利用と施用基準設定 |
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研究機関名 |
北海道立道南農業試験場 |
研究分担 |
研究部・ 栽培環境科 |
研究期間 | 継H15-19 |
年度 | 2007 |
摘要 | 目的:本道で発生する有機性廃棄物のカドミウム(Cd)濃度や利用実態に基づき、有機性廃棄物由来のCd負荷量を明らかにする。さらに、有機性廃棄物の施用に伴う土壌・作物へのCdリスクの軽減策を検討する。、成果:水産系廃棄物を含む堆肥は、原料の違いにより各種成分濃度に違いがあった。例えば付着物やホタテ貝殻などを含む堆肥はカルシウム濃度が高く、このような堆肥を施用すると、土壌pHが高まることが予想された。また、ホタテウロやヒトデを含む堆肥のカドミウム濃度は、含まないものや牛ふん堆肥より高かった。水産系堆肥の乾物率は高く、これは企業や漁協などの団体レベルの堆肥化施設で製造されており、乾燥工程(エアレーション)を十分に加えているためと考えられた。連用5年間の土壌pHの推移は、水産系堆肥区では、連用2年目から7前後で推移し、対照区より高くなった。これは水産系堆肥の原料に付着物が使われており、カルシウム濃度(22%)が高かったためと考えられた。したがって、カルシウム濃度の高い水産系廃棄物を含む堆肥を施用する際には、土壌pHの高まりに注意する必要がある。トマトの収量は、水産系堆肥区と牛ふん堆肥区が対照区よりやや高く推移した。また、H18年のトマト作付け後に栽培したほうれんそうの収量も同様であった。したがって、供試した水産系堆肥は、施用量が1.6t/10aで牛ふん堆肥4t/10aと同程度の肥料的効果があると考えられる。以上のことから、水産系廃棄物を原料に含む堆肥を施用する際には、堆肥のカドミウム濃度とともに、施用後の土壌pHの上昇に留意する必要がある。また、堆肥の窒素濃度が一般的な牛ふん堆肥より高い場合は、施用量を少なくする必要がある。 |
カテゴリ | 肥料 乾燥 施設栽培 トマト ほうれんそう |