課題名 | [園芸作物基盤技術開発事業]、1.低樹高・新型雨よけ施設によるおうとうの軽労安定生産技術の開発、 ア.早期被覆による樹体生理等への影響解明と根域管理技術の確立、 イ.根域集中管理によるかん水方法・おうとうの節水型かん水方法の検討、 ウ.新型雨よけハウスの開発、 エ.基幹品種の低樹高仕立ての開発、および受粉樹のコンパクト樹形開発 |
---|---|
研究機関名 |
山形県農業総合研究センター農業生産技術試験場 |
研究分担 |
果樹研究科 園芸環境研究科 |
研究期間 | 継18~22 |
年度 | 2007 |
摘要 | 施設高4mで簡易に開閉できる施設の開発を行う。、雨よけ施設の長期被覆の影響を調べるとともに根域集中管理方法を検討する。低樹高とコンパクトな受粉樹を開発する。(最上産地研究室と連携)、、ア 早期被覆による樹体生理等への影響解明と根域管理技術の確立、4月上旬から雨除け被覆した場合、5月下旬に被覆した場合より、糖度、酸度が高いものの、果実の圧縮強度が低く、ウルミが進む傾向がみられた。着色や果実肥大に対しては大きな影響はみられなかった。また、早期被覆区では、病果率が低い傾向がみられた。ただし、着果程度や樹の生育にばらつきがみられたため、更に検討が必要である。、、イ 根域集中管理によるかん水方法、 ・おうとうの節水型かん水方法の検討、おうとうの節水型かん水方法としてテンタクルチューブの利用を検討した。、20mのテンタクルチューブの長さに対して、水源となる貯水タンクと実際に水が出てくるマイクロチューブとの落差が1.2m程度あれば、貯水タンクからの距離及び貯水タンク内の水量に関係なく、ほぼ均等に水が出るものと推察された。、テンタクルチューブによるかん水の目安を地表下30cmのpF値2.4とした場合、5月28日~収穫時までの総かん水量は、土壌改良した区で降雨量換算12mm(1200リットル/5樹)、土壌改良しない区で降雨量換算28mm(2800リットル/5樹)となり、土壌改良がかん水量を大幅に軽減できる可能性が示唆された。(土壌改良;主幹から1mの部分をトレンチャーにて深さ50cmに部分深耕し、たい肥半量を混和した土を埋め戻した)、しかし、テンタクルチューブによる節水区は土壌改良の有無にかかわらず、平均一果重、果重別構成比はほぼ一定で、かん水チューブによるかん水区には及ばなかった。かん水量を抑えたことが、一果重に影響したものと考えられた。、 ・土壌改良処理が根量に及ぼす影響、土壌改良区では、地表下50cmまでの10cmごとの各層において、満遍なく新根の伸張が見られ、総重量は無処理の約17倍となり、堆肥を用いた土壌改良効果が顕著であった。 、ウ 新型雨よけハウスの開発、 試作した丸屋根型及び三角屋根型の低施設高オープンハウスにおいて、屋根部を開放することにより、施設内温度を低下させることが明らかとなった。特に、全開(フルオープン)は効果が高く、温度を急激に低下させることが可能であった。、、エ 基幹品種の低樹高仕立ておよび受粉樹のコンパクト樹形の開発、 基幹品種「佐藤錦」、「紅秀峰」は、トレリス形、斜立形、腹枝強調開心形、主幹形の各樹形に向けて、受粉用品種「紅さやか」、「紅きらり」、「マートングローリー」は、ほうき状、棒状、主幹形の各樹形に向けて樹形構成中である。品種や仕立て方の違いにより生育の差がみられるが、生育は概ね順調である。 |
カテゴリ | おうとう 管理技術 受粉 低樹高 土壌改良 品種 |