高能力家畜生産のための受精卵移植技術の開発

課題名 高能力家畜生産のための受精卵移植技術の開発
研究機関名 福島県農業総合センター
研究分担 畜産研究所
研究期間 継H18-22
年度 2007
摘要 (1)ホルスタインの分娩前後における牛の血液動態調査及び繁殖データを収集した結果、初回発情日数が分娩後60日以上の個体では、分娩後生理的に減少した総コレステロール、ビタミンAの回復が遅れる傾向が認められ、受胎日数が分娩後85日以上の個体では、分娩後約50日以降、総コレステロール、リン脂質が高値で推移した。(2)福島県産種雄牛の精液について、受精率・受胎率向上に向けた最適な受精・培養条件を検討した。その結果、OPUにおける種雄牛「登美貴」での体外受精では最終精子濃度4.5×106 、媒精8時間の条件がより適していることがわかった。(3)受胚牛に卵胞刺激ホルモン(アントリンR-10)20AUまたは10AUを投与し、人為的に複数黄体を形成させ、血中プロジェステロン濃度を上昇させることにより、受胎率への効果を検討した。推定黄体数はFSH20AU区で18.5個、FSH10AU区で8.9となり、用量依存的に複数黄体が形成される結果となったが、受胎率は黄体数と比例せず、FSH20AU区では受胎率は10%となり受胎率が低くなる傾向がみられた。一方、FSH10AU区では受胎率が57.1%と良好な結果を得たが、凍結卵のみの受胎率をみると25%であり、複数黄体の効果は認められなかった。(4)扱いやすい簡易的なガラス化保存・希釈用溶液について検討した。ガラス化保存液に50%EG液(50%EG+0.1%PEG+m-PBS)、平衡処理用に25%EG液(25%EG+0.1%PEG+m-PBS)、ストロー内希釈液にシュクロース液(0.3mol/l Suc+0.1%PEG+m-PBS)を作成し、濾過滅菌して-20℃の冷凍庫で保存した。これらの溶液は、胚の保存時に融解してそのまま使用した。ガラス化保存液にはIshimoriら(1)が報告したVSED液(25%EG+25%DMSO、基礎溶液0.4%BSA添加m-PBS)、平衡処理用の50%VSED液も使用した。ガラス化胚を加温しストロー内希釈後に培養を行った結果、平衡処理した場合、Bランク胚は50%EG液で発育胚率100%(11/11)、脱出胚率90.9%(10/11)、VSED液で発育胚率100%(5/5)、脱出胚率80%(4/5)であった。Cランク胚は50%EG液で発育胚率71.4%(5/7)、脱出胚率57.1%(3/7)であった。よって、シュクロース液は希釈液として十分、使用に耐えるものと考えられた。平衡処理を省略した場合、Bランク胚で発育胚率90%(9/10)、脱出胚率、80%(8/10)、Cランク胚で発育胚率・脱出胚率ともに37.5%(3/8)であった。最終濃度の溶液に投入さえできれば胚は生存することがわかったが、発育に要した時間は平衡処理したものに劣る結果であった。
カテゴリ 受精卵移植 受胎率向上 繁殖性改善

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