摘要 |
目的:島根県有種雄牛の経済形質に影響を及ぼすと考えられる候補遺伝子の多型と経済形質との関連性について解析を行い、しまね和牛の育種改良に利用可能なDNAマーカーの開発を図る。、成果:1)父方半兄弟家系を用いた量的形質遺伝子座(QTL)解析 兵庫系(A種雄牛):BMS No.において、有意に関与する領域を3本の染色体(BTA4, 9および14)上に検出。BMS No.に加えて、BTA4ではロース芯面積、バラ厚、BTA9ではロース芯面積、BTA14では、ロース芯面積と枝肉重量について、有意な領域を検出。糸桜系(B種雄牛):BMSNo.およびロース芯面積においてはBTA2と28、枝肉重量ではBTA4、バラ厚ではBTA22および28上に有意な領域を検出。2)肥育牛(後代検定牛および父方半兄弟家系)のGH型と枝肉成績との関連を調査した結果、BMS No.およびロース芯面積において、GH型による差が認められ、また種雄牛の育種価(BMS No.)でもGH型による差が認められたことから、枝肉形質の遺伝的要因に基づく個体の選抜時に、GH型がその一指標として利用可能であることが示唆。3)大規模半兄弟家系のミトコンドリアDNA塩基配列を決定した結果、27タイプ、2グループに分類。各グループの肥育成績の間には有意な差は認められなかった。4)ウシ二卵性双子における血液キメラについての解析を行い、血液および毛根細胞をDNA材料とした個体識別方法を確立。
|