(3)地球温暖化、砂漠化等の環境変動に対応した農業開発手法の策定

課題名 (3)地球温暖化、砂漠化等の環境変動に対応した農業開発手法の策定
課題番号 2008010758
研究機関名 国際農林水産業研究センター
研究分担 (独)国際農林水産業研究センター,農村開発領域
協力分担関係 パラグアイ国家森林院
研究期間 2006-2010
年度 2008
摘要 エチオピアで土壌流出防止対策技術の確立を目指した実証調査結果等をとりまとめ、「ガリ修復」、「コンポスト」、「植生回復」、「苗畑」、「水資源」、「住民参加による農村開発」計6冊の技術マニュアルを作成した。これらは、農家が活用することを想定して図表、写真を多用して分かりやすく編集し、英語及び現地で使用されているアムハラ語及びオロミヤ語で記述した。これらのマニュアルは、エチオピア農業農村開発省の正式なマニュアルとなった。今後、エチオピアでは初めてとなる現場の農業改良普及員及び農家が使用するためのマニュアルとして、国内の各州の普及機関である農業事務所に配布され活用される。上記マニュアルの普及のために、農業農村開発省、農業改良普及員、NGO、JICA専門家等の関係者の参加のもとに砂漠化防止技術セミナーを開催した。サブサハラではアジアに匹敵する淡水供給量がありながら、その3%しか利用されておらず、中でもニジェールでは河川、湖沼等の水資源の1%しか利用されていない。そこで、ニジェールの自然沼を対象に減水農業(雨期終了後に河川・沼の水位低下時に現れる農地を利用した農業)の活用手法を含めた水資源の有効活用手法を検討した。平成20年度は、平成19年度に選定した実証調査サイトにおいて、基礎調査を実施し、その結果にもとづき、(1)利用者の組織化支援手法、(2)簡易な農地整備の支援手法、(3)農業技術の改善手法、に関する実証調査計画案を策定した。水資源活用制約要因調査を実施し、水資源の活用を制約している原因と考えられる(1)資源量の不足、(2)河川・沼の利用に係る制度上の問題、(3)家畜の食害、(4)農地の慣行耕作権、等について調査・分析した。減水農業が実施可能と考えられる地域及び面積を推計することを目的として、衛星画像解析を行い、地域と面積を推定する方法を示した。小農の多数居住する土壌侵食、土壌劣化の著しいパラグアイの貧困地域において、土壌侵食防止、土壌有機物蓄積による地力回復、アグロフォレストリーの導入等の農村開発の一環として、農民参加による小規模植林CDMプロジェクトの計画地区215 haにおける苗木の植栽を行い、計画どおり完了した。プロジェクト設計書(PDD)の有効化審査(平成20年3月実施)の指摘について、ベースライン(現植生に蓄積されたCO2量の現況及び将来予測)、リーケージ(植林によって移転される耕地及び家畜からのCO2排出量の推計)等の項目について、補足調査、データ分析等を行い、指定運営組織(DOE)の指摘事項を反映したPDDの修正を行い、改訂したPDD、附属書、参考資料、政府文書等一式をDOEへ送付し、PDDの修正作業を完了させた。JIRCASによるパラグアイ及び日本政府の事業承認文書の取得を経て、DOEにより、審査報告書の作成及び国連気候変動枠組条約(UNFCCC)CDM理事会へのプロジェクトの登録申請が行われた。上記の植林に併せて実施している農村開発活動については、農家からの経費の一部負担による葉切りアリ対策、家庭菜園、かまど改良、等の小規模農家グループ事業を進めるとともに、プロジェクト活動のステップアップとして、小農にも取り組みやすいマイクロクレジットを導入することとし、農家研修に着手した。植林CDMプロジェクトの国連登録後、モニタリングを経て獲得される温室効果ガスの売却益の一部は、マイクロクレジットの原資など持続的な農村開発に活用する予定である。ガイドラインとして「小規模植林CDM方法論の適用」、マニュアルとして「マイクロクレジット」及び「小規模農家グループ事業」、農家用の手引き書として「間伐」、「山火事防止」及び「改良かまど」等について素案を作成し、これらのプロジェクト成果に関するセミナーを開催した。ベトナム・メコンデルタの貧困地域を対象に、過去のJIRCASによるメコンプロジェクトI、IIの成果の普及や農業・畜産廃棄物の利用による住民参加型の農村開発をすすめ、その一環として廃棄物からのメタン回収による温室効果ガスの削減等を行うCDMプロジェクトを形成するために、土地資源、バイオマス資源等の調査を実施した。本調査におけるCDM事業では、JIRCASが過年度の研究プロジェクトで開発したVACB営農システム(果樹園、養魚池、養豚、バイオガスを統合した営農システム)を取り込んでPDDの素案を作成した。カウンタパート機関であるカントー大学環境・天然資源学部とともに、調査の中間報告等に関するセミナーを2回開催した。また、12月に中国広州市で開催された第5回バイオマス・アジア・ワークショップ(中国科学院、日本農林水産省等が主催、アジア各国から250名参加)に参加し、ベトナムのプロジェクトについて紹介した。
カテゴリ モニタリング

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